福岡天神内視鏡クリニックブログ

大腸が黒い?

みなさん、こんにちは

萱嶋です。

 

梅雨らしいジメジメした気候と、激しい雨が続いています。

災害には十分な注意が必要です。

豪雨の中、通院してくださる皆様、くれぐれもお気をつけていらっしゃってください。

 

今回は、「大腸の色調」について、です。

大腸の色に違いなんてあるの?」思う方々もいらっしゃるかと思います。

実は、病態によって様々な色調を呈します。

 

その中でも、今回は「黒色」

特に、薬によっておこる「黒色」の大腸について概説します。

 

「大腸偽メラノーシス」

という病態があります。

便秘薬である

センナ,大黄,アロエなどのアントラキノン系大腸刺激性下剤を長期間内服することによりおこります。

 

具体的には、

 

センナ錠、センナ顆粒

センナ茶

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

応鐘散(おうしょうさん)

大承気湯(だいじょうきとう)

桃核承気湯(とうがくじょうきとう)

小承気湯(しょうじょうきとう)

アロエ

センノシド

プルゼニド

タケダ漢方胃腸薬

スルーラック

新ウィズワン

 

などがあります。

 

大腸偽メラノーシスは

大腸内視鏡検査ですぐに診断できます。

 

なぜ、大腸が黒く変化するかといいますと、

 

大腸の壁の粘膜固有層という部分に黄褐色色素顆粒(リポフスチン)を満たしたマクロファージが出現することにより、大腸粘膜が褐色から黒色調に変化するのです。

 

通常、このメラノーシスの変化は、原因にあたる薬の服用を中止することで改善します。

大腸にメラノーシスが生じても重篤な症状を呈することはありませんが、下剤による筋層間神経叢のダメージにより腸の機能が低下することがあります。

 

大腸偽メラノーシスと大腸腺腫・癌の合併は珍しくありませんが、両者の関係はいまだに明らかになっていなっていません。

とはいえ、原因薬剤の長期間、大量に投与されれば、大腸腫瘍のリスクを高め、大腸壁の神経叢と大腸の運動異常を引き起こす可能性は否定できない。

とされています。

 

短期間の服用は問題ないと思われますが、

長期間の服用は検討した方がよさそうです。

 

便秘に悩む方は、消化器疾患に精通しているクリニックを受診し、

正しい、治療を受けてください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。