おはようございます。医師の秋山です。
今回は「FODMAP(フォドマップ)」について解説します。
「なにそれ?」と思った方はぜひ最後までご覧ください。
子供の頃からお腹が弱く、すぐにお腹が痛くなったり、お腹が張ったり、下痢する方って結構多いです。しかも、画像検査や内視鏡検査を行なっても異常がなく、原因がよく分からないケースが多く、これを「過敏性腸症候群」と呼んでいます。
日本人の1,700万人以上、20%がこの病気に罹患していると言われています。
特効薬もなく、なかなか治療に難渋する病気なのですが、普段の食事を見直すと治ってしまうことがよくあるんです。
そこで「FODMAP」の登場です。
「FODMAP」とは
Fermentable 発酵性の
Oligosaccharides オリゴ糖
Disaccharides 二糖類
Monosaccharides 単糖類
And
Polyols ポリオール
の頭文字を取ってます。
(FODMAPのAってandのAなのかよ、と思ってしまいます。)
FODMAPを一言で説明すると、「発酵しやすい糖質」の総称です。
糖質を含む食べ物は、腸内で発酵しやすいもの、発酵しにくいものがあるんです。
つまり
発酵しやすい糖質を含む食べ物を「高FODMAP食」
発酵しにくい糖質を含む食べ物を「低FODMAP食」
と言います。
この発酵しにくい糖質である「低FODMAP食」を食べると、お腹の不調が良くなることが分かってきました。
実はこの「低FODMAP食」ですが、オーストラリアのモナッシュ大学で提唱されました。
きちんとしたエビデンス(科学的根拠)も示されており、過敏性腸症候群の患者さんがこの「低FODMAP食」を3週間続けると、75%の方に効果を認めたという報告があります。
「低FODMAP食」ですが、調べてみると結構面白いです。
「え、この食べ物って発酵しにくかったんだ」という新たな発見があります。
それではここでクイズです。
以下の食べ物のうち、どちらが低FODMAP食でしょうか?
①パン お米
②納豆 卵
③玉ねぎ トマト
④ヨーグルト バター
⑤桃 ぶどう
⑥烏龍茶 緑茶
⑦はちみつ 味噌
いかがでしょうか?結構難しくないですか?
正解は、全て右側が「低FODMAP食」で、左側が「高FODMAP食」になります。
つまり
①お米
②卵
③トマト
④バター
⑤ぶどう
⑥緑茶
⑦味噌
が「低FODMAP食」です。
今や「低FODMAP食」は、沢山の書籍がありますし、ネットでも簡単に検索することができます。レシピも沢山あります。
普段からお腹の調子が良くない方はぜひ「低FODMAP食」をトライしてみましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。