こんにちは、医師の中島です。
前回からのつづきです。
体内時計は朝起きて太陽の光を身体に受けることでリセットされ、リズムを刻み始めます。朝起きたらカーテンや雨戸を開けたり、少し外に出るなど、できるだけ朝の光を浴びましょう。朝起きてから14時間が過ぎると眠気を生じるという報告があります。つまり朝寝坊をした場合は、それだけ眠くなる時間が遅くなることになります。平日、休日にかかわらず、就寝時間と起床時間はあまりずらさないようにしましょう。
簡単なものでもよいので、栄養バランスを考えて食べるようにしましょう。朝の目覚めを促し、胃腸の動きのスイッチを入れ、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることができます。
38度ほどのぬるめのお湯に5~30分つかって、身体をじっくり温めることで、副交感神経の働きを高め、緊張をほぐし、リラックス効果が期待できます。
また、体温が降下するタイミングで寝付きやすくなり、質の良い眠りにつながるため、入浴は就寝の2時間前には済ませましょう。
ラーメンやうどん、甘いものなど、血糖値を急激に上げる高GI食品や、油分が多く食物繊維の少ない食品は、体の回復を促すノンレム睡眠(深い睡眠)も、記憶の定着に欠かせないレム睡眠(浅い睡眠)も妨害してしまいます。アルコールも、実は睡眠の質自体は下がってしまうので、適量を守ることが大切です。
就寝時には消化活動が終わっていることが理想なので、飲酒や食事は寝る3時間前までには終わらせるようにしましょう。
ゲーム機やスマホ、テレビなどの電子機器が発するブルーライトは、エネルギーが非常に強く目を疲れさせます。さらには脳が朝だと勘違いして、活動モードになり、睡眠の質を低下させます。スマホやPCは寝る1時間前からは触らないようにしましょう。
梅雨時は湿度が高いため、寝室の湿度管理が大切です。湿度計で室内の湿度を確認し、湿度が高すぎる場合には除湿機やエアコンを積極的に使いましょう。また、寝具を通気性の良いものに変えたり、湿気を吸収するシーツを使用するのも効果的です。
梅雨時の気圧の変動には自律神経が影響を受けやすいので、リラックスできる環境を整えることが大切です。寝る前の1時間はスマートフォンやテレビは避け、深呼吸や軽いストレッチ、読書や瞑想など、心身をリラックスさせる活動を取り入れることで、スムーズに眠りに入ることができ、良質な睡眠をサポートします。
いかがでしたか?
睡眠は日中のパフォーマンスに大きな影響を与える極めて重要なものです。あの大谷選手も、何よりも大事なのは睡眠の質だと述べているのは有名な話ですね。
人生の3分の1は睡眠に費やすともいわれますので、できるだけ良質な睡眠をとって、乱れがちなこの時期の自律神経を整えていきましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。