おはようございます。医師の秋山です。
今年の夏は暑いですね。九州でも初めて酷暑日が記録されました。今年はこの暑さが9月まで続くと予想されています。熱中症には十分気をつけたいところです。

さて、今回は「夏と腸内環境」について話をしたいと思います。
気温が高くなり、暑くなると、腸内環境も悪くなってくると言われています。
特に、善玉菌が激減するんです。
動物実験ですが、3週間程度の高温環境下で過ごすと、乳酸菌やビフィズス菌が有意に減少し、悪玉菌が増加したという報告があります。
Wen C, et al,” Microbiota-gut-brain axis and nutritional strategy under heat stress” Anim Nutr. 2021 Oct 9;7(4):1329–1336.
また、高温環境下では酪酸菌も有意に減少するという報告もあるんです。
Niu Q,et al,” Alterations of lung and gut microbiota in sodium butyrate alleviating heat stress-induced lung injury of broilers” Poult Sci,2025 Feb;104(2):104796.
doi: 10.1016/j.psj.2025.104796. Epub 2025 Jan 9.
どうやら夏になると善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまうみたいです。
それでは、なぜ暑いと善玉菌が減ってしまうのでしょうか?
以下のようなメカニズムで減ってしまうと言われています。
①腸への血流が減少して腸内で炎症が起こる
暑くなると、体が熱を逃すために、皮膚へと血液を沢山送ります。これにより腸の血流が減少します。血流が減少することにより、腸上皮細胞が障害を受け、腸内で炎症が起こってきます。
②腸漏れが起こる
外気温39℃〜41℃にさらしていると、タイトジャンクションが緩み、腸の透過性亢進、腸のバリア機能が低下するという報告があります。
Dokladny K,et al,” Physiologically relevant increase in temperature causes an increase in intestinal epithelial tight junction permeability” Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2006 Feb;290(2):G204-12.
つまり、夏は腸漏れが起こりやすくなるんです。
③暑さにやられて食欲低下
うだるような暑さにより食欲が低下します。これにより、善玉菌のエサになる発酵性食物繊維やレジスタントスターチなどの摂取量が減ってしまうんです。
④暑さに対するストレスでコルチゾールが分泌
暑さに対するストレスでコルチゾールが分泌し、それにより腸の透過性亢進や腸のタイトジャンクションが緩み、腸漏れが起こりやすくなるという報告があります。
So SY,et al,” Gut feelings: the microbiota-gut-brain axis on steroids” Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2022 Jan 1;322(1):G1-G20.
夏の暑さを感じると、以上のようなメカニズで腸内で炎症が起こり、腸漏れまで起こってくるんですね。
これにより腸内環境が悪くなり、善玉菌が住みにくくなるというわけです。最終的には善玉菌が減ってきて、逆に悪玉菌が増えてきます。
やはり、この猛暑を乗り切るには、今まで通りコツコツと腸活をしていくしかないと思います。
しかしながら夏はなかなか食欲が湧かないと思いますので、ご飯や麺類などを冷やしてレジスタントスターチを増やして食べたり、野菜や海藻類を冷たいサラダにして食べたりして、工夫して食べましょう。
もうしばらくこの暑さは続きます。しっかりと水分補給をして、食事もしっかりと摂るように心がけてください。
そしてなるべく善玉菌が減らないように意識して腸活も行っていきましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。