おはようございます。医師の秋山です。
今日は、納豆の話をしたいと思います。

納豆といえば、発酵食品の代表ですよね。古くから日本人に親しまれてきた、言わば国民食ですが、実はその効果の全貌はいまだに完全には解明されていないんです。納豆は奥が深い食べ物なんですね。
さて、そんな納豆ですが、納豆に含まれる代表的な栄養素は以下のようなものです。
・納豆菌
→納豆に含まれる代表的な菌。芽胞に包まれており、大腸まで到達しやすいです。実際、ヒトの実験で、納豆菌が生きたまま大腸に到達することも証明されています。生きたまま腸に到達して、乳酸菌を増やしたり、短鎖脂肪酸を増やしたり、免疫力を上げたりする作用があると言われています。
・消化酵素
→納豆菌が10種類以上も産生します。最も有名なのが「ナットウキナーゼ」ですね。血栓溶解作用があります。その他タンパク質を分解するプロテアーゼ、デンプンを分解するアミラーゼも産生します。
・たんぱく質
→大豆製品なのでたんぱく質がしっかり摂れます。1パックに含まれるたんぱく質量は6.6gです。かなり摂れますね。
・食物繊維
→食物繊維も豊富です。納豆1パックで水溶性食物繊維1.1g、不溶性食物繊維2.2gが含まれています。食物繊維摂取の理想的な割合が水溶性:不溶性=1:2ですから、理想的な食物繊維の割合です。
・ビタミンK2
→血液凝固させる作用があるプロトロンビンを作る時に必要なビタミンです。
もう1つ、重要な機能として、カルシウムの骨への沈着を助けます。つまり、カルシウムが血管に沈着するのを防ぎ、効果的にカルシウムを骨に利用してくれます。
納豆を1日1パック食べると、骨折が減るという報告もあるくらいです。
Kojima et al.” Natto Intake is Inversely Associated with Osteoporotic Fracture Risk in Postmenopausal Japanese Women” The Journal of Nutrition, 2020 March,150(3),599-605
他にも色々な栄養素が含まれていますので、かなり栄養価の高い食べ物だということが分かりますね。
納豆菌が摂れ、たんぱく質も食物繊維も摂れますので、納豆1つだけでプロバイオティクスもプレバイオティクスもできます。腸活にはもってこいの食べ物です。
そんな納豆ですが、最近の研究で新しい効果が報告されています。
オメガ3脂肪酸の1つであるEPAの一部は、体内で代謝されて、炎症やアレルギーを抑制する物質(17,18-エポキシエイコサテトラエン酸)に変換されます。
この物質は以下のような作用があると言われています。
・抗炎症作用
・抗アレルギー作用
・心血管保護作用
特に最近の研究では、この物質により腸の炎症を抑える作用があると言われているんです。
腸の炎症を抑えることができれば、腸漏れを防ぐことができます。
ただ、EPAからこの抗炎症物質への変換は個人差があり、うまく変換されない人も存在します。
しかしながらそれを解決してくれる可能性があるのが納豆です。
納豆が、EPAから17,18-エポキシエイコサテトラエン酸への変換を手助けする酵素を持っているという報告があるんです。
EPAが豊富に含まれているのは、青魚でしたね。
青魚と納豆を食べることは非常に理にかなっていることになります。
納豆を毎日摂る場合、青魚も毎日一緒に摂るとなるとちょっと手間ですよね。
できれば納豆を混ぜた後、手軽にちょい足しして食べたいものです。
それこそ付属のタレのように、パッと納豆にちょい足しできて、しかも体に良いものがあれば・・・
そんなものがあるでしょうか?
個人的にはアマニ油をお勧めします。

アマニ油には、オメガ3脂肪酸の1つであるα-リノレン酸が豊富に含まれています。
このα-リノレン酸は、体内で代謝されてEPAになり、これが17,18-エポキシエイコサテトラエン酸に変換されるんですね。
つまり、納豆と一緒にアマニ油を摂ることによって、抗炎症物質である17,18-エポキシエイコサテトラエン酸に変換されやすくなるというわけです。
アマニ油は熱に弱く酸化しやすいため、そのまま納豆にかけましょう。小さじ1杯程度で1日分としては十分量のオメガ3脂肪酸が摂れます。
アマニ油は、ポリスチレン容器を溶かす可能性があるので、納豆を別に移してからアマニ油をかけるようにしましょう。
いかがだったでしょうか?
皆さんも早速納豆にアマニ油をかけて、腸活しましょう!
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。