おはようございます。
前回は、カメラ検査がキツくなるのはどうしてなのか、胃カメラ検査を楽に受けるためにはどうすれば良いのか、についてお話ししました。
今回は胃カメラ検査を初めて受けてみたいっていう方に、実際の検査の流れが分かるように説明したいと思います。
①胃内の洗浄
内視鏡検査室に入室後は、まずは検査ベッドに腰掛けます。
その後、コップに入った1杯のガスコン水を飲みます。ガスコン水は、胃の壁に付着している泡や粘液を取り除き、胃を綺麗にして観察しやすくする水です。ガスコン水を飲んだ後は、検査ベッドに仰向け(上向き)になり、血圧を測定します。
血圧測定をしている腕と反対の腕に、鎮静剤を投与するための注射の針を刺します。
これをルート確保と言います。
②のどの局所麻酔
ルート確保ができ、血圧が問題なければ、のどにキシロカインというスプレー麻酔をします。
キシロカインスプレーは歯医者などでも使用する局所麻酔薬です。
キシロカインスプレーは、のどの感覚を麻痺させることにより、胃カメラ挿入時に起こるオエッとなる嘔吐反射を抑えることができます。キシロカインスプレーは少し苦いスプレーです。
麻酔後はのどの感覚が麻痺し、少し腫れぼったい感覚になります。
のどの局所麻酔後は、マウスピースをくわえ、身体の向きを仰向け(上向き)から左向き横向きに変え、胃カメラ検査時の体制を整えます。
ここまでは、まだ、鎮静剤は投与していないため、意識がある状態です。
③鎮静剤の投与
胃カメラ検査時の体制が整うと、確保したルートから眠くなる薬である鎮静剤を注射します。
鎮静剤投与後に少しずつウトウトし始めたところで胃カメラ検査を開始します。
④胃カメラスコープの挿入
胃カメラが舌根部(舌の付け根部分)に触れて嘔吐反射を誘発しないように気を付けながら、咽頭から食道に向かってスコープを挿入します。
⑤食道の観察
食道に病気が無いかを観察しながら、食道と胃のつなぎ目である食道胃接合部までスコープを進め、食道胃接合部から胃内へとスコープを進めます。
⑥胃の観察
胃内にスコープを入れたら、検査前に飲んだガスコン水だけでは取り除けなかった胃粘膜に付着した泡や粘液を水で洗い落として胃粘膜を綺麗にします。胃粘膜が綺麗にならないと早期胃がんなどを見落としやすくなるため、しっかりと綺麗にします。胃粘膜が綺麗になったら、胃の出口(幽門部)に向かって胃内を詳細に観察しながら、スコープを進めます。
⑦十二指腸の観察
胃の出口(幽門部)からスコープを十二指腸に進め、十二指腸下行部まで観察します。
⑧胃の観察
十二指腸下行部まで観察したら、スコープを胃内に戻して、幽門部から胃の入り口(噴門部)に向かって再度、胃内を詳細に観察していきます。
⑨食道の観察
胃内を観察した後は、カメラで胃内に溜まった空気を抜いて、再度、食道を観察しながら、スコープを抜いて検査を終了します。この時は、特殊光観察で食道を観察します。当院が使用しているオリンパス社製の胃カメラにはNBI(Narrow Band Imaging)という狭帯域光観察モードが搭載されています。このNBIという特殊光観察で食道を観察すると非常に高い精度で早期食道がんも発見が可能になります。
⑩検査後の休憩
胃カメラ検査にかかる時間は約5-10分です。検査が終わった後は、マウスピースを外し、完全に目が覚めるまでリカバリー室で休んで頂きます。
如何だったでしょうか?
胃カメラ検査がどんな検査かイメージするのに役立ったでしょうか?
ご不明な点があれば、クリニックに一度ご相談下さい。