おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回はまたまた耳寄りな腸内細菌の話をしたいと思います。
腸内細菌、特に善玉菌ですが、私たちの体にとても有益な作用をすることはご存知なのではないかと思います。
その中でも皆さんに注目してほしいのが、「善玉菌にコレステロール値を下げる作用がある」ことです。
健康診断で、LDLコレステロール値が高いと指摘されたことがある方、多いのではないでしょうか?
まずはコレステロールの知識のおさらいです。
コレステロールは人間に必要不可欠な脂質です。各臓器の細胞を作る材料になるだけでなく、脂質を分解する胆汁酸、各種ホルモン、ビタミンを作る材料にもなるんです。
コレステロールの8割が主に肝臓で作られ、残りの2割が食べ物から吸収されたものです。
この血中コレステロール値が高すぎると、余ったコレステロールが血管にどんどん溜まり、動脈硬化の原因になってしまうんですね。
それでは、この血中コレステロールを、腸内細菌の善玉菌はどうやって下げてくれるのでしょうか?
以下のようなメカニズムでコレステロールが下がると言われています。
①胆のうから分泌され、十二指腸に流れていく胆汁酸は、コレステロールが主成分です。そのほとんどが小腸で再吸収されて肝臓に戻されます。ところが、水溶性食物繊維をたくさん食べていると、水溶性食物繊維と胆汁酸がくっついてそのまま体外へ出てしまうんです。
→このため、肝臓でコレステロールを原料とした胆汁酸がせっせと作られるため、血中コレステロール値が下がっていきます。
②腸内細菌が食物繊維を分解する過程で発生する短鎖脂肪酸は、肝臓でのコレステロール合成酵素の働きを阻害する作用があります。
→これにより、血中コレステロール値が下がってきます。
③乳酸菌が、食事由来のコレステロールを吸着して、そのまま便と一緒に排出されます。
→これにより、やはり血中コレステロール値が下がってきます。
いかがでしょうか?
しっかりと食物繊維を摂り、善玉菌を増やせば、コレステロール値が自然と下がってきます。
ぜひ腸活して、善玉菌を増やしてコレステロールを下げましょう!
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。