おはようございます。医師の秋山です。
今回は市販の整腸剤である「ザ・ガード整腸錠」についてお話ししたいと思います。
他の整腸剤との比較が気になる方は、以下のブログも見てみて下さい。
ザ・ガード整腸錠α+ 150錠 ¥1057 1日3回9錠 1日当たり63.42円
小粒で内服しやすく、特に納豆の味はしません。
1日1回で内服すると20円ちょっとです。
私は、これまで多くの整腸剤を試して飲んできました。
ザ・ガードの位置づけは、ビオフェルミン・ミヤリサン系列(善玉菌勝負系)になると思います。
必須アミノ酸やミネラルの入ったビール酵母によるエビオスやわかもとのような「全身の体調を整えながら整腸作用を促す系」とは違い、ザ・ガードは「さまざまな善玉菌で腸内フローラを改善する系」の整腸剤です。
入っている成分を見てみましょう。
〇 ビフィズス菌 + 乳酸菌(ラクトミン) + 納豆菌
と書いています。多種類の善玉菌の相互作用により腸内フローラを整えることができそうです。
納豆菌は発酵食品ですから、宮入菌と同様に日本人の腸に合いやすいと思うので、おススメです。
〇 ジメチルポリシロキサン
病院で処方される「ガスコン」というものです。
お腹の張りを減らしてくれます。
ただガスを減らすだけの対症療法ではないか、と思われるかもしれません。
しかし私が診察していて、「腸内のガスを減らす」つまり「腹部膨満感を改善する」ことは、想像以上に重要な意味を持つと思っています。
ところで、「おなかの痛み」は、どうして起こると思いますか?
大腸ポリープを取る時、痛みがあると思うかもしれませんが、実は痛くないです。
腸管粘膜の痛覚神経は鈍いので、ちょっと粘膜を切ったり組織検査を行うくらいでは痛みは生じません。
唯一、腸内が空気や便でパンパンになったとき(まれに腸管壊死のこともあります)、脳にシグナルが伝わり、脳は「痛い、苦痛だ」と感じるようになっています。
たかが便秘と、馬鹿にはできません。
ただの便秘でも、ガスが溜まりすぎて”急性腹症” の状態となり、救急車で来院される方もいます。
ですから腸内環境を改善しながら、腸内ガスを減らして腹部の不快症状を減らしておくことは大切です。
”おなかが楽な状態”を「持続させる」ことが、脳内の幸せホルモンを放出させ、胃腸の蠕動運動や疼痛・不快を改善することにつながるのです。
ちなみに腸内ガスは、腸内細菌が活動して栄養を分解したときに発生します。
ガスコンは、そのガスの表面張力を低下させます。
表面張力を減らすことで、血液中にガスが吸収されやすくなり、またおならとしてガスが出やすくなり、お腹の張りを改善させることができます。
工業用のシリコンも実はガスコンと同じ成分で、気泡の表面張力を減らす作用があるらしいです。
他にも成分がいろいろ含まれていますが、ザ・ガードは「善玉菌とガスを減らす作用により、おなかが楽な状態を作るのに役立つ」と理解すると良さそうです。