福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘シリーズ③ 便秘と刺激性下剤について

おはようございます。
ゴールデンウィークが終わり今日から仕事再開の方も多いのではないでしょうか。コロナウイルスの影響で色々と大変な状況が続いていますが、みんなで協力して乗り切っていきましょう。

前回までにお話ししたように便秘治療は食事や運動といった生活習慣の改善が第一歩です。しかし、生活習慣の改善の効果はすぐには出てこないため、便秘でお腹の症状がある場合は、便秘薬で便を出したい方も多いと思います。

実は便秘薬は、間違った飲み方をすると将来、逆に難治性便秘になることもあります。
そこで、今回は広く一般的に使われる便秘薬の中でも特に服用に関して注意が必要な刺激性下剤についてお話しします。

便秘薬は大雑把に分類すると、腸を動かし便を肛門まで運ぶことで排便を促す下剤と便を軟らかくすることで排便しやすくする下剤があります。刺激性下剤は名前のとおり腸を刺激して動かし排便を助ける方の下剤に分類されます。

薬局で買えるコー○ック、スルー○ックなどの下剤や便秘に効くと言われる漢方薬・健康食品の多くは、実は刺激性下剤です。センナ、アロエ、大黄などの成分が腸を刺激し排便を助けます。
刺激性下剤は即効性があるため、ついつい頼りたくなる良いお薬ですが、習慣的に服用すると次のような問題があります。

①毎日服用すると薬剤耐性でやがて効果がなくなる。
②習慣性・精神的依存性があるため一定期間毎日使用すると、やめられなくなる。
③大腸が自分で動く運動能が低下し、難治性便秘になる。
④効果が無いからと内服量を増加するとさらに悪循環に陥り、下剤乱用症候群や結腸無力症に陥ることもある。

薬局で気軽に買え、最初のうちは効果も即効性があるため、ついつい頼ってしまいがちですが、やがて効果がなくなり、便秘が悪化する恐れがあるため注意が必要です。
特に漢方薬や健康食品は薬に比べると作用が穏やかなイメージがありますが、センナ、アロエ、大黄といった成分を含む漢方薬や健康食品は刺激性下剤の成分を含むため、上述した危険性があり注意が必要です。

ただし、刺激性下剤自体は間違った服用の仕方をしなければ非常に良い下剤です。
ここは誤解しないでください。

普段は生活習慣の改善での排便を目指し、どうしても排便がなく、お腹の症状があるときに週1回程度のみ服用する場合は、上述したリスクは低く問題はありません。
生活習慣のサポートとして服用するのがコツです。

最近徐々に便秘気味になってきたというような場合は、便秘の原因として大腸癌が隠れていることもあります。大腸カメラを一度も受けたことが無い、または受けたけど数年検査していないという方は、まずは大腸そのものに問題が無いかを調べるため大腸カメラを受けることをお勧めします。
お気軽にご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。