福岡天神内視鏡クリニックブログ

好酸球性食道炎って知っていますか?

おはようございます。
「食事中に食べ物がのどにつかえる感じがする」「のどや胸に違和感がある」「のどや胸がしみる感じがする」「胸が焼けるような感じがする」「吐き気がする」といった症状がある場合は、食道の病気が原因の可能性があります。

これらの症状の原因として、最も多い病気は逆流性食道炎などの胃食道逆流症ですが、胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けると食道がんや胃がんが見つかるケースもあります。また、症状の原因が逆流性食道炎だと思っていたら、実は好酸球性食道炎という病気が原因であったということもあります。好酸球性食道炎は、難病に指定されている病気(指定難病98)で根治(完全に治す)が難しい病気の一つです。好酸球性食道炎は、まだ、はっきりと分かっていないことも多い病気ですが、近年日本で増加傾向の病気です。今回は、この好酸球性食道炎についてお話ししたいと思います。

 

好酸球性食道炎は1990年代に病気として認められた比較的新しい病気です。
特定の食べ物などによるアレルギー反応が原因となり、白血球の成分の一つである好酸球が消化管(食道、胃、腸)の粘膜に浸潤し、慢性炎症を起こすことが原因と考えられていますが、残念ながらまだ詳細は不明です。また、好酸球性食道炎は同じ家系内で発症しやすいとの報告もあり、遺伝的な要素も関与していると考えられています。

 

好酸球性食道炎は、まだ根治(完全に治す)が難しい病気であり、厚生労働省により難病の一つに指定(指定難病98)されています。30~50歳代の比較的若い男性でよく見られるのが特徴ですが、女性やその他の年代の方にも見られます。

 

以前は、胃内視鏡検査(胃カメラ検査)5000件に1件ぐらいの割合で認められると報告されていましたが、近年は200~1000件に1件ぐらいの割合で認められるという報告もあり、増加傾向の病気です。

 

治療を行わずに放置すると、経過とともに慢性炎症が原因で食道壁の粘膜下層に線維化が起こり、食道壁が硬く伸展しなくなり、さらに食道の内腔が狭くなる(狭窄する)と食事がつかえるようになってしまいます。こうならないためにもしっかり診断し、治療を行う必要があります。
診断のためには、まずは胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を行って好酸球性食道炎を疑うことが必要です。
気になる症状があれば当院にご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。