福岡天神内視鏡クリニックブログ

市販の胃腸薬を調べよう!! その4 大正漢方胃腸薬

おはようございます。
当クリニックではコロナウイルスを含めた感染症予防対策を常に最新の論文報告などを参考にして常にアップデートしながらしっかりと行っています。定期的に通院されている方は、来院される度に少し変わっているところに気付かれるかもしれません。待ち時間に前回と違うところを探してみてください(笑)
しっかり感染予防対策を行っていますので、初めての方も安心してご来院ください。

 

 

さて、今回は大正漢方胃腸薬を紹介したいと思います。
大正漢方胃腸薬には、微粒タイプと錠剤タイプがあります。

15歳以上の用法用量は、微粒タイプは1回1包、1日3回、錠剤タイプは1回4錠、1日3回です。
漢方薬は空腹時に服用すると吸収が良いため、薬のもっているパフォーマンスをしっかり発揮させるため、空腹時である食前(食事の30分前)か食間(食後2-3時間)に服用しましょう。また、漢方はお茶やジュース、牛乳などで服用すると成分がこれらと反応し効果が落ちることもあるため、水か白湯で服用しましょう。

価格は微粒タイプは32包で1980円なので1日あたり約186円、錠剤タイプは100錠で1450円なので1日あたり174円となります。
1日あたりの含有成分は微粒も錠剤も全く同じなので、飲みやすさや価格の好みで選択しましょう。

 

大正漢方胃腸薬は、胃腸の不調に対して私たち医師が患者さんに良く処方する2つの漢方薬である安中散と芍薬甘草湯を組み合わせた胃腸薬です。

安中散はやせ型でお腹の筋力が強くない人、もともと胃腸があまり強くないタイプの人の胃腸の痛みに有効です。特に、やや神経質な傾向があり、ストレスで胃の不調な症状が出やすい人や胃下垂の人などに有効と言われています。胃内視鏡検査で異常が無いにも関わらず、胃の動きの悪化や知覚過敏が原因で胃痛や胃もたれなどの症状がある機能性ディスペプシアの方にも有効な漢方薬です。

芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんに伴う痛みに有効な漢方薬です。胃の動きの緊張状態が強くなったことが原因の胃痛に有効です。胃の過剰な緊張状態を鎮め、胃痛を改善させます。

 

 

大正漢方胃腸薬は、ストレスや不安、緊張状態が続くことで胃痛などの胃の不快な症状がある方にお勧めです。漢方薬であり、即効性は無いため、症状が出た後に週単位でしばらく継続して服用し症状を緩和させるといった服用が良いでしょう。

 

ただし、芍薬甘草湯には甘草という生薬が含まれています。甘草は数ヶ月にわたって漫然と服用を継続すると、偽性アルドステロン症という低カリウム血症を引き起こす疾患を起こすことがあります。服用中に手足がだるい・力が入らない・こわばる、脱力感がある、激しい運動もしてないのに筋肉痛が出てきた場合は、服用を中止して必ず病院を受診しましょう。

 

大正漢方胃腸薬が効果ある方は、ストレスや不安、緊張状態が原因で胃の動きが悪化したり、知覚過敏を起こしていると考えられます。しっかり休息を取り緊張状態を改善させ、カラダが感じているストレスを緩和することが一番大切です。過度なストレスや緊張状態の継続は胃腸の不調だけでなく、うつ病などにつながる恐れもあります。症状が継続する場合は、薬の内服で症状をごまかすのでは無く、将来の健康の為にも生活習慣を見直しましょう!!

 

思い当たるストレスや緊張状態が無いにも関わらず、症状が継続する場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染などが症状の原因のことがあります。胃の症状の有無にかかわらず、40歳以上で一度も胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けたことの無い方は内視鏡検査を受けることを強くお勧め致します。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。