福岡天神内視鏡クリニックブログ

当院で行っている大腸ポリープの切除方法

おはようございます。

胃や腸の症状でお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

 

 

当院では大腸内視鏡検査時に大腸ポリープがあった場合は、ポリープのサイズや形態によって例外はありますが、基本的には検査時にその場で「日帰り大腸ポリープ切除」が可能です。

そこで今回は、大腸内視鏡検査時に大腸ポリープがあった場合に当院で行っているポリープの切除方法に関してお話ししたいと思います。

 

 

 

①cold forceps polypectomy

【適応】

ポリープサイズが5mm以下の微小ポリープ

 

【方法】

生検鉗子やJumbo鉗子というカップでポリープをつかみ切除する方法です。

cold forceps polypectomyは、ポリープの切除に高周波電流を用いないため、切除後の傷からの後出血や腸に穴があく穿孔などの偶発症の危険性が低い切除方法です。

手技も簡便で短時間で切除可能です。サイズの大きなポリープは適応外となります。

鉗子よりも大きなポリープの場合は、鉗子で掴みきることができないため、取り残しが出る可能性があり、再発のリスクがあるためです。5mmより大きなポリープは他の方法で切除する必要があります。

 

 

 

②CSP(cold snare polypectomy)

【適応】

ポリープサイズが10mm未満の非有茎性ポリープ(ただし、良性のポリープに限る)

【方法】

スネアと呼ばれる針金で出来た輪でポリープと周囲の正常粘膜を併せて掴み切除します。

ポリープの切除に高周波電流を用いないため、切除後の後出血や腸に穴があく穿孔などの偶発症の危険性が低い切除方法です。

大腸がんはサイズが小さくても粘膜下層浸潤の可能性があるため、深部断端に取り残しが出る可能性があり、適応外となります。切除前にポリープの表面粘膜を拡大観察し、良性のポリープと考えられる場合に行います。

また、有茎性のポリープ(茎のあるキノコの様な形をしたポリープ)も基本的には適応外となります。有形性のポリープの場合は、茎の部分に血管が走っており、切除する場合に必ず血管を切断することになってしまうため、高周波電流を用いないCSPでは切除後に出血が止まらなくなる可能性があります。このため、有形性のポリープの場合は、高周波電流を用いて血管を焼き切ることで切除と止血を兼ねた切除方法で切除します。

 

 

 

 

③内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)

【適応】ポリープサイズが10~20mmの非有茎性ポリープ(ポリープが粘膜内に留まる病変のみ)

ただし、有形性のポリープはポリープの頭の部分がスネアを通過可能であれば、20mm以上の大きなポリープであっても切除可能です。

【方法】

穿刺針をポリープの下の粘膜下層に穿刺し、生理食塩水を粘膜下層に注入してポリープを膨隆させます。スネアと呼ばれる針金で出来た輪でポリープと周囲の正常粘膜を併せて掴み、高周波電流でポリープを切除します。高周波電流で切除した場合、通電された切除面はのちに潰瘍を形成し、後出血や腸に穴が開く穿孔のリスクとなることがあるため、クリップでしっかり創部を縫縮します。

しかし、スネアよりも大きなサイズ(通常は20mm以上)の非有茎性ポリープは、これらの切除方法では取り残しなく、一括切除が困難です。有茎性のポリープであっても、ポリープの頭の部分がスネアを通過できないものは切除できません。

この様なポリープは、入院での内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)での治療が必要となるため、検査時にこれらのポリープを認めた場合は治療可能な施設へご紹介させて頂きます。

 

 

 

このように当院では外来で切除可能なポリープは検査時にその場で切除しています。

このため治療のために再度検査を受けなおすご負担はありません。

是非、一度ご相談ください。

癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。