おはようございます。
前回からシリーズで逆流性食道炎についてお話しをはじめました。
今回は逆流性食道炎の症状についてお話したいと思います。
逆流性食道炎は胃液に含まれる胃酸が食道に逆流することで食道の粘膜に炎症(ただれやびらん)が生じる病気です。
逆流性食道炎では非常にさまざまな不快な症状がでますが、その中でも代表的な4大症状が「胸やけ」「呑酸」「つかえ感」「胸痛」です。
この4大症状の中でも逆流性食道炎の4大症状の中でも「胸やけ」と「呑酸」がとくに典型的な症状です。「胸やけ」は逆流性食道炎の人の40%以上で認められると言われています。
この2つの症状が見られる場合は、逆流性食道炎である可能性がかなり高くなります。
「胸やけ」は、みぞおちの上辺りから胸骨の裏側あたりに熱く焼けるような症状として自覚されます。ひとによっては「胸のあたりが重苦しい」「胸のあたりがいやな感じがする」「胸のムカムカ」「胃が痛い」などと感じます。
「呑酸」は、すっぱいものが胸やのど、口にまであがってくる症状をいいます。のどの奥の焼けるような感じとして出現することもあります。
「つかえ感」は、何かがのどやみぞおちにつかえるような感じをいいます。医学的には「嚥下困難」といいます。
少し使える感じがある軽度のものから、食べ物がのどを通らなくなる重度のものまで、つかえ感の程度は人によって非常に幅があります。耳鼻咽喉科でのどを診てもらっても異常が無い場合は、逆流性食道炎が原因の可能性があります。
「胸痛」は、「胸が締め付けられるように痛い」「胸が焼けるように痛い」「みぞおちが痛い」などと感じます。
ただし、心筋梗塞や狭心症など心臓に問題がある場合も同じような症状が出るため、注意が必要です。
実際に逆流性食道炎による胸痛を心筋梗塞や狭心症の症状と思い、心臓の精密検査を行っても異常は無く、胃内視鏡検査をした結果、逆流性食道炎であったいうケースは消化器内科・循環器内科のあるあるです。
心臓に問題がある場合は、多くの場合、歩いたり階段をのぼったり等の労作時に症状が出現するのに対して、逆流性食道炎の場合は、食後やストレスを感じたとき、夜間に寝ている時などに症状が出やすいといった特徴がありますが、これはあくまでも目安です。
症状がある場合は、消化器内科や循環器内科の専門医にご相談ください。
逆流性食道炎の4大症状の他にも「ゲップがよく出る」「胃もたれがする」「腹部の膨満感がある」「吐き気がする」などの消化器症状や「声がかすれる」「原因不明の咳がある」「虫歯を起こしやすい」などの消化器以外の症状が出ることもあります。
逆流性食道炎の4大症状を含めた消化器症状は全くなく、消化器以外の症状だけが出る方もいます。
このように非常に多彩な症状が出現し、症状の個人差が大きいのも逆流性食道炎の特徴です。
もちろん、これらの症状は逆流性食道炎以外の他の病気でも起こります。
これらの症状でお悩みの方は、是非、一度ご相談ください。
逆流性食道炎の内視鏡写真です。胸やけとみぞおち周りの痛みがあり受診されました。
胃酸を抑えるお薬で治療しますが、薬での治療はあくまでも症状や炎症が強いときのサポートです。
食道炎を繰り返さないためには、毎日の生活習慣を見直していくことが基本になります。