おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第8回です。
逆流性食道炎で治療中の患者様からよく「生活習慣で気をつける点はありますか?」という質問を受けます。
皆さんは何だと思いますか?
そうです。やっぱり最初に改善すべき生活習慣は食習慣です。
きっと多くの方が正解したのではないでしょうか(笑)
逆流性食道炎の患者さんの多くは「食後に最も症状が出やすいです」と訴えられます。
食事は口から食道に入り、胃の入り口である噴門に到達すると、噴門部を外から締め付けている下部食道括約筋が緩み、噴門が開いて食べ物が胃内に入ります。
満腹時の胃は1.2~1.5L分もの食べ物をためることが出来るため、満腹になったからと言って、通常は胃内の食べ物が食道に逆流することはありません。
しかし、胃が蓄えられる量を超えて食べたり、急いで食べ物を食べた場合(早食い)や刺激の強い食べ物を食べた場合などは、食道と胃に負担がかかり、下部食道括約筋の緩みが誘発され、胃酸や胃の内容物が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を来しやすくなります。
特に、高齢で元々下部食道括約筋の筋肉が衰えている人、肥満で内臓脂肪が多く胃を圧迫しやすい人や猫背などで姿勢が悪く胃を圧迫しやすい人などでは、さらに食事の影響を受けやすくなります。
理屈は分かったから、具体的に何を気をつけたら良いか早く教えて!!って声がどこからか聞こえてきました(笑)
安心してください。教えます。
食事摂取時に次の3つを気をつけましょう。
①食べ過ぎ注意・3食きっちり摂取・早食いは止めよう
食事量は腹八分目でもう少し食べたいと思うぐらいで止めましょう。
また、食事は3食きっちり規則正しく食べ、1回の食事は30分以上かけて1口30回以上噛んで食べるのが理想です。
早食い・丸飲みは止め、ゆっくり良く噛んで食べましょう。
②寝る直前の食事摂取や食後すぐの入浴は止めよう
胃酸逆流を防ぐために、食後すぐに横になるのは避けましょう。
夕食は睡眠時間の3-4時間前には済ませましょう。
食後すぐの入浴は消化を妨げるため、食後に入浴する場合は1時間以上間を空けましょう。
③タンパク質や脂肪の摂り過ぎに注意
胃酸はタンパク質を分解する消化液です。タンパク質を取り過ぎると胃酸が多く分泌されます。
また、脂肪は胃で消化されにくく、タンパク質や脂肪を取り過ぎると胃もたれしやすくなります。
ダイエットのために糖質制限をしている人も多いと思いますが、バランス良く栄養を摂るようにしましょう。
いかがでしたか?
逆流性食道炎の症状は生活習慣の改善で随分軽快します。
酸逆流症状がある場合は、まずは食習慣を見直してみましょう。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。