おはようございます。医師の秋山です。
「ミステリーと言う勿れ」という漫画があるのですが、来年1月に菅田将暉さん主演でドラマ化されます。
この漫画好きなんですよね。全巻読んでますが、すごく面白いです。絶対ドラマ化されると思ってましたが、遂に来ましたね。しかも月9で放送決定です。
ミステリーが好きな方は一読をお勧めします。
閑話休題、今回は「カプセル内視鏡」について熱く語りたいと思います。
実は私、今から10年以上前になりますが、大学病院で勤務していた時に、カプセル内視鏡検査を担当していました。その時の経験を元に解説したいと思います。
尚、福岡院では「カプセル内視鏡検査」は行なっておりませんのでご了承ください。
カプセル内視鏡とは、カプセル型の形状をした内視鏡であり、長径約3cm、直径約1cmほどの大きさです。
写真左の肌色のカプセルが小腸用カプセル内視鏡、写真右の白色のカプセルが大腸用カプセル内視鏡です。大腸用の方が少し大きいですね。
このカプセル内に小型カメラが内蔵されており、1秒間に2枚~35枚のスピードで写真を撮りながら、腸管内を進みます。検査時間は個人差がありますが、平均5~6時間くらいかかる検査です。結構長時間ですよね。
検査終了後、カプセル内視鏡は、1~2日後に便と一緒に自然に排出されます。
腸内で撮影された画像は、患者様の体幹に貼り付けたセンサーを経由して腰に装着した装置に転送され、後日医師により画像を読影します。
従来の大腸カメラと同様に、基本的には下剤を飲むような前処置が必要な場合がありますが、
検査自体はカプセルを飲み込むだけであり、その後は外出したり、デスクワークしたりとそこまで大きな制限はありません。
2007年10月より、「小腸カプセル内視鏡」が保険適用となり、2014年1月から「大腸カプセル内視鏡」が保険適用となりました。費用としては、3割負担で3万円〜3万5,000円と比較的高額な検査となっています。
保険適用ですが、
「小腸カプセル内視鏡」は、
①従来の胃カメラ、大腸カメラ検査を受けても異常がない、原因不明の消化管出血、下痢、腹痛をきたす症例 が適用となります。
「大腸カプセル内視鏡」は、
①以前大腸カメラを受けたことがあるが、大腸の奥である盲腸まで到達できなかった方
②腹部手術歴や大腸過長で大腸カメラ挿入が困難と予想される方
③コントロール不良の便秘、高血圧、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全の方で大腸カメラ挿入が困難と予想される方 が適用となります。
ちなみに、小腸カプセル内視鏡と大腸カプセル内視鏡では、カプセルの種類やサイズが違いますので、同時に小腸と大腸を見ることはできないです。
このように、
保険適用は限定的であり、
上記に当てはまらない方は自費診療でしか検査できないことになってしまいます。
自費診療の場合、1回のカプセル内視鏡検査で10万〜12万円もの費用がかかります。
で、このカプセル内視鏡検査なんですが、観察するターゲットとなる臓器は、小腸と大腸のみです。
よく質問されるのですが、食道、胃はカプセル内視鏡では観察できないんです。
「胃カメラが苦手だからカプセル内視鏡で胃を見てもらうことができますか?」
とよく患者さんから聞かれることがあるんですけど、できないです。カプセル内視鏡は、胃カメラの代わりにはなりませんのでご注意ください。
今日はここまでです。次回はカプセル内視鏡の特徴について説明します。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。