おはようございます。医師の秋山です。
先月の話なのですが、日本のがん関連の4学会(日本対がん学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)が、2020年の日本のがん件数の調査報告を行いました。
その調査報告によると、2020年の日本での全がん診断件数は8万660件ということでした。
これは2019年の8万8,814件と比べ、8,154件も減りました。つまり、約10%も減ったことになります。
その中でも最も減少幅が大きかったのは、
1位 胃がん 13.4%減
2位 大腸がん 10.2%減
だったんです!
これはどういうことでしょうか?胃がんや大腸がんが減ってきている?
いや、がんは決して減っていません。ただ単に見かけ上減っているだけです。
2020年から続くコロナ禍、それに伴う緊急事態宣言により、私たちが健康診断を含む医療機関への受診を控えた結果だと思います。
特に、胃がん、大腸がんの減少幅が大きいということは、いかに皆さんがこのコロナ禍の影響で、胃カメラ、大腸カメラ検査を控えていたかがよくわかります。
確かに、私は日々内視鏡検査を行っていますが、最近感じるのは、胃がんや大腸がんが新規で発見される方が以前よりも増えていることです。しかも早期がんではなく、進行がんが多いです。
このままでは、あと数年もすれば、進行がんの患者さんが全国で溢れてしまう可能性があります。
怖いですよね。それでは私たちはどうすれば良いのでしょうか?
胃がん、大腸がんに関して言えば、今こそ胃カメラ、大腸カメラ検査を受けることです!
これまでコロナ禍で健康診断や病院受診を控えていた方、ぜひ病院を受診してください。
そして、胃カメラ、大腸カメラ検査を受けていただければと思います。
「胃がん、大腸がんをこの世からゼロにする」
これを目標にこれからも内視鏡検査を行っていきたいと思います。
先日、お寿司屋さんでいただいた一品です。
トロに見えませんか?実はこれ、鰹です。
「迷い鰹」という魚だそうで、本来、太平洋側で獲れる鰹が、迷い込んで日本海側で獲れた鰹のことを言います。捕獲量が少なく、通常の鰹よりも脂がのってると大将が言ってました。
「何これ、大トロみたいじゃん!」と心の中で叫びながらも、大将に見透かされないようにスカして食べました。
それでは今年もあと少しですので頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。