おはようございます。医師の秋山です。
さて、皆さんは「ストレスが溜まって胃腸の調子が悪い」という経験をしたことはありませんか?
私はあります!胃がキリキリ痛んだり、食欲がなくなったり、下痢したり・・・
すごく不快な経験をしたことがあります。
実はこれ、「脳腸相関」によるネットワークが原因と言われています。
それでは、「脳腸相関」とはなんでしょうか?解説したいと思います。
「腸」には、約1億個の神経細胞が存在しています。これは、脳に次ぐ多さです。
腸の粘膜下に「粘膜下神経叢」があり、ホルモン分泌などを行なっています。さらに腸管の筋肉には「筋層間神経叢」があり、腸の蠕動運動を行なっています。これらの神経叢をまとめて「腸管神経」と言います。
この腸管神経が、交感神経、副交感神経を通じて脳とつながっており、互いに情報交換を行なっています。これが「脳腸相関」です。
例えば、何か大きなプレゼンの前に下痢したり、や電車やバス通勤中にお腹が痛くなったりすることがあります。
これは、プレゼン前の緊張感や、これから仕事をしなければいけないというストレスを脳が感じ取り、強い不安感を抑えようと副交感神経が過敏に反応し、これが脳から腸に信号が送られ、それにより腸の動きが活発になり、下痢になったり腹痛を感じたりするのです。
さらに、下痢や腹痛などの腸の不調な状態が脳へと伝えられることによりさらに症状が悪化するという、負のスパイラルに入っていきます。
以上のようなメカニズムで症状が出現します。かなり複雑なメカニズムで症状が出現するんですね。
人によってはこのような症状に慣れてしまって、そのままにしている方もいると思います。
しかしながらこのような症状を放っておくと、腸内細菌のバランスが崩れ、免疫力が下がります。また、大腸がんや炎症性腸疾患など病気が隠れている場合もあります。
ですので、症状が続く場合は一度病院で精密検査を受けることをお勧めします。
いかがでしたでしょうか?脳と腸は神経を介して密接に繋がっているんですね。腸に優しい食事をしたり、整腸剤を飲んだりして、腸をいたわってあげましょう!
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。