福岡天神内視鏡クリニックブログ

胃カメラ検査ってどんな検査? その5

おはようございます。

前回は、胃カメラ検査を初めて受けてみたいっていう方に、実際の検査の流れが分かるように説明しました。

今回は、胃カメラ検査に伴うリスクについてお話ししたいと思います。

 

胃カメラ検査は、基本的にはリスクの少ない安全な検査です。

とはいえ、どんな検査でもリスクゼロの検査はありません。

勿論、胃カメラ検査も例外ではなく、非常に稀ではありますが、検査時にリスク(偶発症)を起こすことがあります。

 

どんなリスクが起こりえるのでしょうか?

胃カメラ検査に伴う偶発症としては、次の3つに関連するものが起こりえます。

 

①胃カメラ検査前の下準備(前処置)に伴うリスク(偶発症)

胃カメラ検査がキツい検査になる一番の理由は、検査中にオエっとなる咽頭反射が原因です。

咽頭反射は、歯磨きの際、歯ブラシがのどに当たったときなどに起こるオエっとなる反射です。

人間は自分の意に反して、物が喉の方に入ってくるとそれを吐き出そうとする防御反射が起こります。これがオエッとなる咽頭反射の正体です。

胃カメラ検査の前には、咽頭反射を抑えるための局所麻酔薬のスプレーを喉に行い、この咽頭反射を起こりにくくします。

しかし、この局所麻酔薬のキシロカインスプレーは、稀にアレルギーを起こす方がいます。

ひどい場合にはアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

過去の報告では、局所麻酔薬に伴う偶発症の発生頻度は0.0046%(2万2千人に1人)と報告されています。

過去に歯医者の麻酔で気分不良などを起こしたことがある場合は、必ず胃カメラ検査の前に申し出て下さい。

 

②胃カメラ検査そのものに伴うリスク(偶発症)

胃カメラの挿入や観察、生検による組織検査で出血や穿孔のリスクがあります。

過去の報告では、胃カメラ検査に伴う偶発症の発生頻度は0.005%(2万人に1人)と報告されています。

基本的には、しっかりと経験を積んでいる専門医が検査を行う場合は、これらのリスクはほとんど心配無用です。

 

③鎮静薬に伴うリスク(偶発症)

胃カメラ検査を苦痛無く受けるためには、鎮静薬を投与し、眠ったまま検査を受けるのがお勧めです。

基本的には、経験豊富な専門医が、患者さんの年齢・性別・体格・飲酒歴などを考慮し、適正な量の鎮静剤で検査を行う場合は、あまり心配はありません。

とはいえ、鎮静剤はクスリです。

全てのクスリには可能性は低くても副作用が起こるリスクがあります。

鎮静剤で起こりえる副作用としてはアレルギーや血圧低下、呼吸抑制などがあります。

過去の報告では、鎮静薬に伴う偶発症の発生頻度は0.02%(5千人に1人)と報告されています。

これらのリスクの起こる可能性を事前に把握するため、検査前の事前診察時にクスリや食べ物でのアレルギー歴や基礎疾患、既往歴などは必ずドクターに伝えましょう。

 

 

如何だったでしょうか?

基本的には、胃カメラ検査は安全に行える検査ですが、少ないながらもやはりリスクは起こりえます。

これらのリスクの起こる可能性を事前に把握するためには、検査前にクスリや食べ物でのアレルギー歴や基礎疾患、既往歴、服用中の薬剤情報などは必ずドクターに伝えてください。それをしっかり行うだけでも、検査に伴うリスクが起こる可能性をしっかり下げることが出来ます。

ご不明な点があれば、是非クリニックにご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。