おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回も腸内細菌シリーズです。今回は腸内細菌と糖尿病の関係について解説します。
糖尿病は誰もが知っている病気ですよね。糖尿病とその予備群の数は1,000万人以上であり、国民病と言っても過言ではないです。
そんな糖尿病ですが、実は腸内環境を良くすることで、糖尿病を予防することができます。
腸内細菌と糖尿病の関係をざっと解説すると
①腸内環境が悪くなると善玉菌が減って悪玉菌が増える。
②悪玉菌が増えると、腸の免疫バリア機能が落ちる。
③弱まった腸の免疫バリア機能を様々な悪い物質がすり抜け、血中に入り、全身を巡る。
④これらの悪い物質が、肝臓や筋肉、脂肪でのインスリンの効き目を悪くする。
⑤インスリンの効き目が悪くなり、血糖値が上がってしまう。
こんな感じです。怖いですね。
それでは、①〜⑤を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
その鍵となるのが、「食物繊維」と「短鎖脂肪酸」です。
食物繊維を摂取することで、善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えてきます。
また、食物繊維は腹持ちが良く、食欲を抑制する作用もありますので、過剰な糖質を摂取することを防ぐことができるのです。
次に短鎖脂肪酸とは、腸内細菌の善玉菌が食物繊維を分解する時に出す物質のことで、酪酸、酢酸、プロピオン酸などを指します。
この短鎖脂肪酸が、腸の免疫バリア機能を高めてくれるんです。
以上のように、善玉菌のエサとなる食物繊維をきちんと摂ったり、整腸剤を飲んだりして善玉菌を増やし、短鎖脂肪酸を沢山作ると糖尿病の予防につながります。
ちなみに、短鎖脂肪酸の中で特にこの免疫バリア機能を高めてくれるのが「酪酸」です。
「酪酸」を作るのが、酪酸菌です。この酪酸菌を増やすのに一番良いのが食物繊維豊富な「玄米」です。
いかがでしょうか。
食物繊維豊富な玄米を食べて、酪酸菌を増やして、糖尿病を予防しましょう!
以上、腸内細菌と糖尿病の話でした。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。