福岡天神内視鏡クリニックブログ

胃カメラ検査ってどんな検査? その6

おはようございます。
前回は、胃カメラ検査に伴うリスクについてお話ししました。
今回は、診療中に患者さんから良く受ける胃カメラ検査に関する質問事項に関してお話ししたいと思います。
少し量が多いので数回に分けてお話ししたいと思います。

 

1.胃カメラ検査に何種類かあるのですか?
胃カメラ検査は、胃内にカメラを入れて食道・胃・十二指腸に病気が隠れていないかを調べる検査です。
カメラを胃の中に入れるための通り道の違いにより2種類の検査があります。
1つは、口から胃内にカメラを挿入する経口内視鏡検査で、もう1つは、鼻からカメラを挿入する経鼻内視鏡検査です。経口内視鏡検査も経鼻内視鏡検査も食道・胃・十二指腸に異常が無いかを観察するという点では同じ検査ですが、カメラが胃に入るまでの侵入経路が異なる点が違います。

 

2.経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査は、どちらの検査が楽ですか?
経鼻内視鏡検査で用いるスコープの太さは、直径約5-6mm程度ですが、経口内視鏡検査に用いるスコープの太さは、直径約8-9mmと約1.5倍の太さがあります。また、経鼻内視鏡検査の場合は、カメラの通り道が嘔吐反射を引き起こす原因となる舌根部を通らず、直接、食道に入ることが可能なため、経口内視鏡検査に比べると検査中にオエッとなりにくい検査です。
このため、鎮静剤を使用しない検査同士で比較した場合は、経鼻内視鏡検査の方が楽に検査ができるケースが多いです。
しかし、これだけで、経鼻内視鏡検査の方が良いと絶対に思わないでください!!
一番大切なのは、何のために胃カメラ検査を受けているのか?という点です。「検査を楽に受けること」が胃カメラ検査の目的ではありません。
最も大切な目的は「食道がんや胃がんなどの病気を見落とし無く早期発見すること」です。
鎮静剤を使用しない検査の場合は、経鼻内視鏡検査の方が楽に受けられる可能性は高いですが、鎮静剤を使用する検査の場合は、経口内視鏡検査でも非常に楽に検査を受けることが可能です。鎮静剤を使用する経口内視鏡検査の場合は、精密検査もできる高性能なカメラで検査出来るだけで無く、経鼻内視鏡検査よりも楽に検査を受けることが可能です。
初期の食道がんや胃がんを早期発見するためには、経鼻内視鏡検査では無く、経口内視鏡検査で胃カメラ検査を受けることをオススメします。

 

3.胃カメラ検査前日の注意点を教えてください
胃カメラ検査では、前日の過ごし方に特別な注意点はありません。普段通り過ごして頂いて結構です。
ただし、鎮静剤を使用する検査の場合は、前日の夜は早めに就寝し、しっかり睡眠を取りましょう。
睡眠不足があると年齢や体格にあった適切な量であっても鎮静剤が効き過ぎてしまう事があります。

 

4.胃カメラ検査前の食事の注意点を教えてください
前日の食事内容に関しては、基本的に制限はありません。
ただし、夕食は午後10時までに済ませてください。
また、過去に胃がんなどで胃の外科的な手術(開腹手術、腹腔鏡手術)を受けたことのある方は、手術の影響で胃内に食べ物が残りやすくなっているため、夕食は午後6時までに済ませ、普段よりも水分を多めに摂取するようにしてください。
検査前の食事が摂取できない時間帯でも水分の摂取は自由です。
検査前の脱水予防と胃からの食事の排出促進のためにも水分は積極的に取りましょう。検査開始前まで水分摂取は可能です。
摂取する水分の種類は、水や麦茶・ポカリスエットなどのスポーツドリンクはOKですが、コーヒーやコーンポタージュ、味噌汁などは検査に影響する可能性があるため、食事が摂取できない時間帯では摂取しないでください。
ただし、これらの水分であっても食事が摂取可能な時間帯であれば、摂取しても問題ありません。

 

如何だったでしょうか?
胃カメラ検査を受けて頂く際の注意点をイメージするのに役立てば幸いです。
次回も胃カメラに関する良くある質問についてお話ししたいと思います。
ご不明な点があれば、クリニックに一度ご相談下さい。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。