福岡天神内視鏡クリニックブログ

オーソモレキュラー血液検査の結果を考察してみました。

おはようございます。医師の秋山です。

福岡院では、血液検査の結果から今の栄養状態を知ることができる「栄養解析」を行なっています。「オーソモレキュラー血液検査」です。

料金が税込2,2000円と少々高いですが、現在の栄養状態を知ることができる便利な検査となっています。

YouTubeの動画で上げた効果もあり、現在15名の方でこのオーソモレキュラー血液検査を行いました。ありがとうございます。

この15名の血液検査の結果より、興味深いデータが出ましたので簡単にご説明したいと思います。

 

まずは内訳です。

◯性別

女性11名

男性4名

女性の方が圧倒的に多いです。これは、男性よりも女性の方が健康意識が高いからと考えられますね。当院で内視鏡検査を受けに来院される患者さんも、6割以上が女性ですので納得の結果です。

 

◯年齢

20代1名

30代1名

40代3名

50代4名

60代6名

→年齢が高くなるに従い、人数も増えています。若い世代もぜひ一度自分自身の健康状態の評価をしてほしいと思います。

 

この15名の方は健康意識の高い方と考えられますので、普段から食事や運動などに気を使っている方が多かったです。

そんな健康意識が高い方の中でも、足りていない栄養素が4つありましたのでご報告します。

 

①タンパク質

②ビタミンB群

この2つはセットで解説します。血液検査の尿素窒素(BUN)、肝機能(AST,ALT)の低値(BUN15mg/dl未満、AST,ALTどちらか15U/L未満)から、タンパク質、ビタミンB群が足りていない方が2/3もいることが分かりました。

タンパク質は、私たちの体を作る重要な栄養分です。タンパク質は、1日に体重当たり1~1.5gが必要と言われています。

ただ、タンパク質を体の中で代謝するためにはビタミンB群も必要です。ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、尿から出ていくだけでなく、常に体内で消費されるのですぐに枯渇してしまいます。

つまり、タンパク質とビタミンB群のどちらも毎日補充する必要があります。

 

③鉄

鉄欠乏は、特に女性は慢性的な問題で永遠のテーマですね。

しかも貧血の評価であるヘモグロビンが下がっていなくても、フェリチンだけが低いという潜在的な鉄欠乏の方が圧倒的に多いため、めまいや立ちくらみなどのいわゆる貧血症状はほとんどないです。その代わり、疲れやすい、寝つきが悪い、食欲がない、イライラする、などのいわゆる不定愁訴が鉄欠乏により出てくることがよくあります。

15人のうち、これも2/3がフェリチンだけが低い潜在的な鉄欠乏状態でした(フェリチン80ng/ml未満)。

鉄も、タンパク質の代謝に必要であり、毎日補充する必要があります。

 

④ビタミンD

最近要注目のビタミンDです。これも15人中の2/3がビタミンD欠乏でした(20ng/ml未満)。ビタミンDは30以上が正常なのですが、がんやアレルギー、感染症などを予防するためには50以上が必要と言われています。

いかがでしょうか。健康意識が高い方でもこれだけの栄養不足が指摘されています。

次回は、これらをどのようにして補充すれば良いかを解説したいと思います。

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。