みなさんこんにちは。
萱嶋です。
夏に着実に近づいています。
私は夏生まれですが、暑さが苦手です。
早く秋になってほしいです。
さて、今回は
「感染性腸炎」の症状や潜伏期間、治療についてお話ししたいと思います。
感染性腸炎の症状
● 感染性腸炎は下痢、発熱、腹痛、悪心、嘔吐などの症状がみられることが多いです。とくに下痢はほぼ必発です。
● 血便をきたす感染性腸炎はほとんどが細菌性腸炎です。
● 血便の頻度が高いのは腸管出血性大腸菌腸炎とアメーバ性大腸炎であり、次いでカンピロバクター腸炎とサルモネラ腸炎が多いです。
● 高熱を伴う激しい水様便の場合には、サルモネラ腸炎、カンピロバクター腸炎、ロタウイルス腸炎などを考えます。
● 腸管出血性大腸菌腸炎では、発熱は軽度かみられません。
● エルシニア腸炎は、腹痛と発熱が主な症状で、下痢は軽度かみられません。
腹痛は激しいことが多く虫垂炎と間違われることも多いです。
● ノロウイルス腸炎は、嘔吐と下痢が多く、発熱はないかあっても軽度です。
● ロタウイルス腸炎は乳幼児に多く、発熱、下痢、嘔吐などがみられます。白色便が特徴です。
感染性腸炎の診断
● 診断には詳しい問診が重要であり、症状とその発現時期、食事摂取歴、最近の旅行歴(特に発展途上国)、最近の抗菌薬使用歴、基礎疾患の有無などを聞きます。
● 細菌性腸炎の確定診断は便や腸液を培養して検出します。
● ウイルス性腸炎の確定診断は、吐物や便からウイルスに特異的な物質や遺伝子の検出によります。
● 日常診療では、培養検査など結果に時間を要するため、問診で診断を予測することが多いです。
感染性腸炎の潜伏期間
1-6時間:黄色ブドウ球菌、 8-14時間:腸炎ビブリオ、エロモナス
8時間-2日:サルモネラ 12時間-3日:腸管毒素原性大腸菌、
12時間-2日:ノロウイルス 2-3日:ロタウイルス
2-8日:腸管出血性大腸菌、キャンピロバクター
2-3週:アメーバ赤痢
感染性腸炎の原因食品
鶏肉:キャンピロバクター、サルモネラ
牛肉:腸管出血性大腸菌、サルモネラ
豚肉:エルシニア、サルモネラ、キャンピロバクター
魚介類:腸炎ビブリオ、エロモナス
二枚貝:ノロウイルス
アジ・サバ・イカ:アニサキス
鶏卵:サルモネラ
感染性腸炎の治療
感染性腸炎は、一般的には自然治癒傾向が強いため、治療の原則は対症療法(整腸剤などの保存療法)であり、抗菌薬は必要ないことが多いです。
下痢に伴う脱水には点滴による輸液を行います。