福岡天神内視鏡クリニックブログ

潰瘍性大腸炎②

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

6月に入り、梅雨の時期が始まりました。

湿度が高く、ジメジメして嫌な気候ですね。

 

今回のテーマは、引き続き「潰瘍性大腸炎」についてです。

 

 

もし、自分が「潰瘍性大腸炎」と診断されてしまった場合、

様々な疑問が浮かんでくると思います。

今回は、実際の診療でもよく聞かれる質問について、概説したいと思います。

 

質問➀

普段の生活で食事などどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか?

食事や運動に関しては症状が治まっていれば、特別な制限はありません。

疲れを残さないように十分な睡眠をとり、規則正しい生活が重要です。

 

質問②

潰瘍性大腸炎は完治するのですか?

現在では完治する治療法はありません。5-ASA(アミノサリチル酸)という内服薬を継続することで、大腸がんが予防できます。

 

質問③

現在症状はありません。お薬はいつまで続けなければなりませんか?

発病してから数年間、症状が悪くならない患者さんもいますが、多くの患者さんは症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返します。

症状がなくても、よい状態を維持するために5-ASAを続けるのが原則です。

5-ASAは長期に服用することの安全性は確認されていますし、さらに合併症の大腸がんを予防することが報告されています。

 

質問④

症状がなくても内視鏡検査は必要でしょうか?

内視鏡検査は大腸の状態(炎症の程度や拡がり)を的確に把握できます。

累積発癌率は10年で0.5%、30年で6.1%であり、1-2年ごとの内視鏡検査が重要です。

 

質問⑤

普通の女性と同じように妊娠・出産できますか?

通常、同じと考えてよいです。

潰瘍性大腸炎の患者さんと一般女性との妊娠率には差がないと報告されています。

男性患者さんの場合はサラゾピリンを服用していると、一時的に男性不妊の状態になります。

妊娠を希望する場合、5-ASAに変更するとよいです。

 

・まとめ

潰瘍性大腸炎の診断には、内視鏡検査と組織検査が必要。

症状がなくとも、治療は中断せず、続けることが大事。

潰瘍性大腸炎の方は、1-2年ごとに内視鏡検査を受けましょう。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。