福岡天神内視鏡クリニックブログ

腸内細菌と認知症の関係について解説します!

おはようございます。医師の秋山です。

 

今回は、「腸内細菌と認知症の関係」について解説したいと思います。

ちょっと難しい内容ですが最後まで読めば「認知症マスター」になれますので、頑張って最後まで読んでみてください。

いきなりですが、

 

「え?腸内細菌と認知症ってなんか関係あるの?」

と思った方、以前の私もそうでした!

 

認知症ってざっくりと言うと脳で起こる病気です。

それなのに、なんで脳から遠い場所にある腸が関係しているのでしょうか?

 

その前に、まずは認知症についておさらいしましょう。

認知症とは、なんらかの後天的な原因で脳に障害を認め、もともと持っていた知能や知性が低下していく病気です。

日本では、約450万人が認知症を発症していると言われています。

 

認知症の中でも、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、認知症の7割近くを占めます。

「アルツハイマー型認知症」とは、脳内にアミロイドβやタウといったタンパク質が蓄積し、脳細胞が徐々に障害されて症状が出現します。

 

なるほど。認知症が発症するメカニズムがなんとなく分かりました。

どうやらこのアミロイドβやタウというタンパク質が悪さをしてるようです。

 

それでは、なぜこれらのタンパク質が脳に蓄積するのでしょうか?どのようなメカニズムで脳に蓄積するんでしょう?

 

実はアミロイドβが脳に蓄積されるメカニズムは諸説あります。

運動不足だったり、頭を使わずにぼーっと生活していたりなど・・・確かに、運動せずに1日中ぼーっと座っていたら認知症になりそうな気がしますよね。

 

そして最近の知見は以下のようになっています。

 

腸内環境の悪化により、腸内細菌の多様性が低下する→腸壁がダメージを受け、腸から様々な有害物質が漏れ出る→有害物質が脳にまで運ばれ、脳内で慢性的な炎症が起こる→次第にアミロイドβが蓄積する

 

こんな感じで認知症を発症するとのことです。

 

つまり、普段から腸活を行い、腸内環境を良くしていれば、認知症になるのを防ぐことができるんです!

 

実際、イランでの研究で、認知症患者に①乳酸菌、ビフィズス菌入りの飲み物と、②菌が含まれていない飲み物を飲ませると、①の方で有意に認知機能が改善したという報告があります。

Front Aging Neurosci. 2016 Nov 10;8:256. eCollection 2016.

 

いかがでしょうか?

認知症が気になる方、今日から腸活を行い、腸から認知症を予防していきましょう!

 

以上、腸内細菌と認知症についての話でした。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。