みなさんこんにちは。
萱嶋です。
先週末はあたたかい日が続きました。
地球温暖化の影響でしょうか。
寒暖差が激しいので、風邪をひかないように注意してください。
皆さんは、小腸内視鏡というものがあることをご存じですか。
小腸は消化管臓器の中で、最も長く、5-6mあるといわれています。
内視鏡で完全に観察することは困難とされていましたが、現在はすべてを観察することが可能です。
小腸に腫瘍ができることは非常に少ないです。
特殊な腸炎やまれにできる腫瘍を観察する場合に小腸を観察します。
ゆえにその検査は、総合病院など一部の施設に限られます。
小腸を観察する場合は
① 小腸カプセル内視鏡
② 小腸ダブルバルーン内視鏡
を用いることが多いです。
➀小腸カプセル内視鏡
薬のカプセルよりも少し大きなカプセル内視鏡を飲んだのち、カプセルが消化管の動きによって徐々に進みながら、1秒間に約6枚ずつ撮影していきます。7~8時間にわたり約5万枚の画像を撮影し、対外に取り付けたレコーダーに記録します。これをあとでコンピューターにより解析します。
患者さんの負担が少なく、小腸全体を観察することができますが、食道や胃、大腸は十分に観察することはできません。小腸にたまっている内容物の影響や、撮影時間に限りがあるため、小腸の一部を観察できないこともあります。また、組織検査や治療をすることはできません。
食道や胃や小腸、大腸がとても狭い患者さんや、腸閉塞をきたしたことのある患者さん、妊婦さんなどは検査を施行できません。 まれに、消化管の狭いところを通過できないことがあります。どうしても自然排泄されない場合には、内視鏡で回収したり、外科手術で回収とともに原因となる狭い部分を切除したりします。
小腸カプセル内視鏡検査で、確定診断や治療を行うことはできませんが、原因不明の出血や、小腸の炎症性の病気、小腸腫瘍の検索などに非常に役に立ちます。
今回は、小腸カプセル内視鏡検査を主に概説しました。
次回は、小腸ダブルバルーン内視鏡検査についてお伝えいたします。