おはようございます。医師の秋山です。
「ビタミンDってどのくらい太陽に当たるといいんですか?」
こんな質問をよく受けます。
ビタミンDは日光浴をすることで体内で生成されると言われています。
それでは実際に、どのくらい作られるのでしょうか?
まずは紫外線のおさらいです。
紫外線は、UVA、UVB、UVCの3種類に分けられます。
UVCはオゾン層に吸収されるので、地表に届くのがUVAとUVBです。
ビタミンDを作るのはUVBです。
UVBは波長が短いため、室内には届かず、かつ服を着ているとUVBは皮膚に届かないため要注意です!もちろん、日焼け止めを塗るとビタミンDは作られません。
つまり、肌を露出して屋外で日光を浴びない限り、ビタミンDは作られないです。
皮膚がUVBを浴びると、コレステロールを材料にしてビタミンDが生成されます。
なるほど。それではどれくらいの日照時間でどの程度のビタミンDが生成されるのでしょうか?
これは、どれくらい肌を露出しているかとか、地域や季節によって変わるので一概には言いにくいです。
以前、日照時間とビタミンDの生成量の研究結果が発表されていましたが、それによると
晴れた日に、帽子なしの顔面と両手の甲を露出させた状態で日照すると仮定。
ビタミンD10μg=400I.U.を作るのに必要な日照時間
那覇 | つくば | 札幌 | |
夏期(7月昼12時) | 5分 | 6分 | 8分 |
冬期(12月昼12時) | 14分 | 41分 | 139分 |
このような結果になってます。
同じ日本でも那覇と札幌では随分違うんですね。
ちなみに、以下も考慮する必要があります。
①皮膚の色素
→皮膚の色が濃いとUVBが吸収されるため、ビタミンDは生成されなくなります。つまり、日焼けするとビタミンD生成量は落ちます。
ちなみに、日焼けは日に当たってから3分後には始まります。
②脂肪量
脂肪は脂溶性ビタミンであるビタミンDを蓄えます。つまり、体脂肪量の多い人はビタミンDの血中濃度はなかなか上がらないことになります。
③加齢
加齢により、日光によるビタミンDの合成能は低下します。
一般的に、30代と比べると、60代のビタミンDの合成能は1/3まで落ちると言われています。
私は1日100μg、4,000I.U.のビタミンD摂取を推奨していますが、日光浴によるビタミンD生成は生成量が少なく、あまり現実的ではないことが分かります。
結論としてはサプリメントでビタミンDを摂るのが一番効率が良いです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。