福岡天神内視鏡クリニックブログ

ケトフレックス12/3で認知症を予防しましょう!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、私は以前のブログで、「認知症になりやすい人ってこんな人」というのを解説しました。

認知症は、2030年には5人に1人が発症すると言われてます。また、便秘薬の1年以上の長期内服で認知症のリスクが上がるという報告もあり、注意が必要です。

 

それでは今回は、認知症を予防する食事法について解説したいと思います。

昔から言われている認知症予防法は

①よく寝る

②よく遊ぶ(運動する)

と言われていました。これは今でも変わりません。

さらにこれに、食事も取り入れてみましょう。

 

最近提唱されている認知症予防、および認知症治療の食事法として

「ケトフレックス12/3」という食事法があります。

 

大まかな概要を説明すると、1日のうちで12時間は絶食する時間を設け、さらに就寝時間の3時間前までに夕食を済ませましょう、という意味です。

 

具体的なタイムスケジュールを挙げると、

 

19時までに夕食を済ませ、22時には就寝する。

翌朝6時くらいには起床し、7時までに朝食を済ませる。

 

こんな感じにすれば、12時間絶食、就寝前3時間までに夕食を済ませることができます。

でも、なんで12時間の絶食と、就寝前3時間までに夕食を済ませないといけないのでしょうか?

 

認知症になりやすい人は、脳内が慢性的にエネルギー不足となっています。なぜかというと、脳細胞のインスリン抵抗性が上がり、インスリンが脳細胞にエネルギー源である糖を運搬できなくなっているからです。

脳細胞が慢性的にエネルギー不足になることにより、脳細胞が萎縮して認知機能が低下してきます。

つまり、脳細胞にエネルギーをなんとかして与えたいんですよね。

 

そこで、ケトン体を利用します。

ケトン体とは、人間が飢餓状態になった時、体内の脂肪を利用して作られるエネルギー源です。具体的には12時間程度の絶食により、体内でケトン体が沢山作られます。

 

このケトン体は、インスリンを介さずに細胞にエネルギーを取り込むことができるんです。

つまり、ケトン体を利用して脳細胞にエネルギーを送るために、12時間の空腹時間を作るというわけです。

さらに、12時間の絶食時間により、オートファジー(自浄作用)が発動し。脳内のアミロイドβを排除してくれます。

アミロイドβは脳内のゴミと言われるタンパク質で、これが溜まり溜まって認知症を誘発しますので、オートファジーで脳内をお掃除してくれるんですね。

次に寝る前3時間を食べないようにする理由を解説します。

 

夕食後には必ず血糖値が上がりますので、同時にインスリン値も上昇してきます。

この上昇したインスリン値が下がってきて落ち着いてくるのに食後3時間程度かかります。

 

そして就寝後しばらくすると、メラトニンと成長ホルモンが分泌されます。

この2つのホルモンの働きとして、脳細胞を修復させる働きがあったり、脂肪によるエネルギー代謝を促進させたりします。

 

ところがこの2つのホルモンは、インスリンとバチバチの関係ですので、インスリン値が高いままだとこのホルモンは分泌されないんです。

 

つまり、就寝後にメラトニンと成長ホルモンの分泌を促すために、就寝3時間前までに食事を済ませましょう、ということになるんですね。

以上がケトフレックス12/3の簡単な概要になります。

次回は、具体的にどのようなものを食べると良いのかを解説したいと思います。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。