福岡天神内視鏡クリニックブログ

食物繊維は朝、昼、夕のいつ食べると一番効果的なのか?

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、前回のブログでは、食物繊維にの正体について解説しました。

 

皆さんが食物繊維マスターになるべく、今回は、「食物繊維は朝、昼、夕のいつ食べると一番効果的なのか?」について解説したいと思います。

 

皆さんは葉物野菜やきのこなどの食物繊維を食べる時っていつ食べることが多いですか?

私のイメージとしては、昼食や夕食にサラダみたいな感覚で食べることが多いのではないかと思います。

なんとなく朝、昼、夕のいつ食物繊維を食べても効果に差はないような気がしますよね。

 

実はそうでもないんです。

朝、昼、夕のうち、朝食の時に食物繊維を摂るのが一番効果的と言われています。

 

朝食時に食物繊維を摂ると、昼食時や夕食時と比べ、食後の短鎖脂肪酸量が増えたり、腸内細菌の多様性が上がるとのことです。

さらに、朝食時に食物繊維を摂った方が、便秘も改善しやすいというデータがあります。

Hyeon-Ki Kim,et al, “Ingestion of Helianthus tuberosus at Breakfast Rather Than at Dinner Is More Effective for Suppressing Glucose Levels and Improving the Intestinal Microbiota in Older Adults.” Nutrients. 2020 Oct 03;12(10); pii: E3035.

 

これは盲点でしたね。食物繊維はいつ食べても効果に差はないと思ってました。

 

そうであればぜひその理由を知りたいところですが、きちんとした理由はわかっていないんです。

考えられる可能性としては、腸内細菌が食物繊維を発酵する環境が、1日のうちで朝が一番腸内の環境が良いからではないかと言われています。

 

それでは、なぜ朝が食物繊維を発酵する環境が良いのでしょうか?

①食事を摂取するまでの絶食時間が、朝食が一番長い。

→睡眠時間が入ってきますので、夕食から朝食までの絶食時間が一番長いですよね。この絶食時間が長いことにより、腸内細菌に十分な休養が取れているため、食物繊維をより発酵しやすかったのではないか、ということです。

 

②夜間は腸内細菌が活動性が低くなっている。

→基本的に、睡眠中である夜間は食べ物の消化吸収の時間ではなく、1日フルで働いた腸内をお掃除する時間です。睡眠中は体温も低下していますので、腸内細菌が活発に動く時間ではないです。このため、昼食や夕食に食物繊維を摂っても効率的に食物繊維を発酵してくれない、という可能性があります。

 

いかがだったでしょうか。

 

皆さんも、食物繊維を効率的に利用するために、食物繊維を摂る割合を少し朝食にシフトしてみましょう。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。