福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘シリーズ④ 排便習慣と排便姿勢

おはようございます。
自粛が延長され、色々と大変ですが、徐々に患者数が減ってきて自粛の効果が出始めた気がします。
今回は排便習慣と排便姿勢についてお話しします。

通常、便が直腸まで運ばれてくるとその刺激で便意が出現し、トイレに行きたくなり排便します。しかし、慢性便秘症の患者さんは便意そのものを感じにくくなっていることも多く、そもそもトイレに行かないので排便が無いということもあります。
便意が無くても1日に何回かトイレに行き便座に座る習慣を身につけることで、排便習慣が身に付く方もおられます。朝食摂取後に便意の有無にかかわらず、トイレに行く習慣をつけてみてください。

また、排便時の姿勢もスムーズな排便には重要です。
一番肛門側の大腸である直腸は恥骨という骨にくっついた恥骨直腸筋という筋肉によって固定され、「く」の字に折れ曲がっています。この折れ曲がりを直腸肛門角と言います。

欧米人に比べて日本人は、この直腸肛門角の折れ曲がりが強いため、便がスムーズに通過しづらくなっています。しかし、前かがみの姿勢をとると、この折れ曲がりが直線化し、折れ曲がりが緩やかになるため、便が通過しやすくなります。逆に背筋を伸ばした姿勢や後ろにもたれるような姿勢をとると折れ曲がりが強くなるため、便が通過しにくくなります。


現在、洋式トイレが主流ですが、日本人の多くは、洋式トイレでは直腸肛門角の折れ曲がりが強くなり、排便しづらくなります。昔の和式トイレは、前かがみの姿勢となるため、実は日本人の排便スタイルには最適のトイレだったんです。
便秘患者が増えているのは、食生活の欧米化だけが問題ではないかもしれません。

では和式トイレでと言いたいところですが、そもそも、今は和式トイレ自体ほぼ見かけません。
それでは、どうすれば良いかと言うと、便座に座った状態で「ロダンの考える人」の姿勢を取れば良いんです。足台を置いてその上に足を置き、身体は前かがみにします。
太ももと背骨の角度が約35度になる姿勢が最適な姿勢です。
排便習慣をつけ、排便姿勢にこだわるだけで、快便になる方もおられます。
一度、試してみてください。

これまでにお話しした内容を色々実践してみても良くならない場合は、一度、当クリニックにご相談ください。

癌にならない腸活 実践メルマガ講座 乳酸菌バナー 内視鏡チャンネルバナー

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。