福岡天神内視鏡クリニックブログ

検診便潜血検査について

おはようございます。
今回は大腸がん検診として行われる便潜血検査についてお話します。

 

便潜血検査は、便の中に血液が混ざっていないかを調べる検査です。
1日もしくは2日分の便を検査専用のスティックで採取し、便に血液が混ざっていないかを調べます。現在、便を1日に1回ずつ2日に分けて採取する「便潜血2日法」が主流で、通常は検査当日を含む3日以内の便を採取して調べます。便潜血2日法は、大腸がんの死亡率減少に効果があると厚生労働省が認めた大腸がんの検診検査です。 自宅で採便するだけなので、大腸がんの検査が初めてという方にとっても身体的な負担はありません。

 

大腸がんは進行すると表面が脆くなり、便とこすれて出血し易くなるため、検査陽性(便に血が混ざっている)の場合、大腸がんの恐れがあると診断できます。この検査は、特殊な抗体を用いて便表面の血液を検出するため、少量の出血でも大腸がんのリスク診断が可能です。
とはいえ、あくまでもスクリーニング検査であり、実際には出血を来す大腸がん以外の病気の可能性や出血を来さない大腸がんも存在するため、この検査だけで大腸がんの有無を正確に判断することは出来ません。検査のメリットとデメリットをしっかりと把握しておくことが大切です。

 

【便潜血検査のメリット】
・来院なしで気軽に自宅で検査可能
・便を採取するだけであり、身体的な負担が無い
・大腸がん検診の検査の中では検査費用が安い

 

【デメリット】
・検査異常の原因が大腸がんによるものかどうかまでは診断できない(痔があるだけで検査異常となる:偽陽性)
・検査異常がなくても大腸がんはないと断言できない(早期大腸がんや進行大腸がんであっても出血しないものもある:偽陰性)

 

検査結果が1回でも陽性の場合は、大腸がんの可能性や大腸に何か異常がある可能性があるため、必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。
内視鏡検査を受けなければ、大腸がんがあるかどうかはわかりません。

大腸がんは早期に発見すれば治癒が目指せるがんの一つです。特に、早期大腸がんの場合は、検査時にそのまま切除し治癒できることもあります。
また、進行大腸がんの約30%は、出血を来さないと言われており、便潜血検査では陰性となり、見落とされる可能性があります。たとえ便潜血検査が陰性であっても、排便時に血便がある場合や便通異常、腹部症状などがある場合は大腸内視鏡検査を受けましょう。

ご家族に大腸がんの方がいた場合も注意が必要です。
是非一度お気軽にクリニックにご相談下さい。

 

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。