福岡天神内視鏡クリニックブログ

感染性腸炎に関する基礎知識

おはようございます。
すっかり秋めいてきました。秋と言えば食欲の秋ですね。
糸島の牡蠣小屋での焼き牡蠣はとても美味しいです。でも牡蠣は感染性胃腸炎の原因となるため、食べるときには、しっかり焼いて食べましょう!!

 

 

今回は私たち医師が感染性腸炎を疑う患者さんに遭遇したときに何を考えながら診察しているかについて簡単にお話しします。
感染性腸炎は、名前のとおり、感染により腸が炎症を起こす病気です。原因にはウイルス感染によるものと細菌感染によるものがあります。
いずれの場合も感染して腸が炎症を起こし症状が出始めるまでには、少し時間がかかります。この感染から症状が出るまでの期間のことを潜伏期といいます。潜伏期は原因となるウイルスや細菌によって異なります。

 

 

感染性腸炎にかかった患者さんは、多くの場合、「下痢」「腹痛」「発熱」「嘔気」「嘔吐」に加え、下痢や嘔吐による「脱水症状」を訴えて受診されます。突然症状が出現する急性発症というのが感染性腸炎を疑う一番の特徴です。
週単位などで徐々に症状が悪化してくる場合は、感染性腸炎の可能性は低くなります。
また、症状が4週間以上持続する場合も感染性腸炎の可能性は低いと考えられます。
これらの場合は、自己免疫異常が原因の炎症性腸疾患などの別の病気を疑う必要があります。

 

 

我々、医師が感染性腸炎を疑う患者さんを診察する場合には、まずその炎症が起きている場所が小腸がメインなのか、大腸がメインなのかを考えながら問診や診察を行っていきます。
感染している主な場所が小腸なのか、大腸なのかで原因がウイルスによるものなのか細菌によるものなのかをある程度絞ることが出来るからです(もちろん、オーバーラップすることもあるため、完全ではありません)。
感染性腸炎は原因がウイルスと細菌でその後に必要な検査や治療、注意する点が変わるため、診察をする際には、まずこの確認から行っていくのです。

 

診断のために有益な情報は、

①下痢の量や性状(量が多いのか、水のような下痢なのか、血便はあるか等)

②腹痛の性状(場所や強い痛みがあるかどうか等)

③嘔気や嘔吐の程度(嘔気や嘔吐は強いかどうか等)

④発熱の程度(微熱なのか、高熱なのか)

などになります。

 

症状が出る前に食べた食事や他の家族などにも同じような症状の人がいるかなども診断の参考になるため、受診時にはこれらを医師にお伝えください。
気になる症状があれば、是非ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。