おはようございます。
今年も残りあと5日ですね。今年は新型コロナウイルスなど本当に多くの方にとって本当に色々と大変な一年だったと思います。
来年もウイルスに負けず頑張っていきたいと思います。
前回、大腸がんの5つの発生経路のうち、3つの経路に関してお話ししました。
今回は、大腸がんの残りの2つの発生経路に関して簡単にお話ししたいと思います。
④dysplasia-carcinoma sequence(colitic cancer)
炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎が原因で発生する経路です。
しっかりと潰瘍性大腸炎の診断をつけ、適切な治療を行い、定期的な大腸内視鏡検査を受けることで早期発見・早期治療が可能です。
⑤過誤腫のがん化
過誤腫とは受精卵から体の細胞が形作られる胎生期に組織の形成異常で生じる腫瘍の様に見えるが腫瘍ではない奇形の一種です。
Peutz-Jeghers症候群や若年性ポリポーシス症候群などの遺伝性疾患で生じるポリープです。
過誤腫性腫瘍自体は良性ですが、がん化するケースもあります。
また、Peutz-Jeghers症候群や若年性ポリポーシス症候群では切除した過誤腫が良性であっても、将来の消化器がんの発生リスクが高いと言われており、定期的な大腸内視鏡検査だけでなく、胃内視鏡検査も必要です。
今回までの数回にわたって大腸がんのリスク因子、発生経路に関してお話ししました。
大腸がんのリスク因子や発生経路は色々とあるため、自分は大丈夫だろうかと不安になってしまった方もおられるかもしれません。
大腸がんは、非常に進行した状態であっても自覚症状が全くないケースも良くあり、大腸がんをはじめとする消化管がんは、その発がんリスクに遺伝的な因子も関わるため、若いから絶対に大丈夫と言うことはありません。
実際に私自身、これまでに20代の胃や大腸の進行がんを何人も診療・治療した経験があります。
しかし、これまでにもお話しししたように定期的に大腸内視鏡検査を受けていれば、必要以上に恐れる必要はありません。
くり返しになりますが、全くお腹の症状がなくても35歳を目処に一度は胃や大腸内視鏡検査を受け、その後は定期的な大腸内視鏡検査を受けることを強くお勧め致します。
私たちは皆さんが一人でも胃がんや大腸がんで亡くなるのを防ぎたいと思い、日々診療を行っています。
定期的な内視鏡検査を受けて頂くには、検査自体が苦痛や不安を伴わないご負担のない検査であることが大前提だと考えています。
このために検査を受けて頂く患者様のご負担が少しでも少なくなるよう色々と日々努力しております。
是非一度、ご相談ください。