おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第13回です。
逆流性食道炎の患者様の多くは「急いで食べたり、食べ過ぎた時に症状が悪化します」という訴えられます。
何が原因なのでしょうか?
そこで今回は、早食いや大食いが逆流性食道炎を悪化させるかどうかについてお話ししたいと思います。
大量の食べ物が短時間で胃内に入り、胃の内圧が急激に上昇すると、一時的に食道と胃のつなぎ目を締め付けている下部食道括約筋がゆるんでしまうため、食道に胃の内容物が逆流しやすくなります。
しっかりと良く噛んで食べると唾液と食べ物が良く混ざり、唾液中に含まれるアミラーゼという消化酵素がデンプンを消化し、消化吸収されやすい形となり胃へ送られます。
しかし、早食いでは、良く噛まずに食べるためアミラーゼによる消化が不十分なうえに食べ物が大きなまま胃内に運ばれるため、胃内での消化に時間がかかります。
食べ物が胃に留まる時間が長くなればなるほど胃酸の分泌量が増加するため、逆流する胃酸も増加しやすくなります。
しかも、早食いは、食べ物を飲み込む際に空気も一緒に飲み込みやすくなるため、食後にゲップが出やすくなり、食道に胃酸逆流が起こりやすくなります。
さらに早食いや大食いは、過去の研究で肥満を来しやすいことが報告されています。
肥満は腹圧を高め、胃を圧迫し、下部食道括約筋をゆるめるため、食道に胃酸逆流が起こりやすくなります。
食事の量は腹八分目でしっかり良く噛んで食べる食習慣を身につけましょう。
逆流性食道炎の症状は生活習慣の改善を意識すると薬を飲まなくても随分軽快します。
酸逆流症状がある場合は、まずは食習慣を見直してみましょう。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。