おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第14回です。
最近、身体に良いと話題の脂肪酸(オメガ3脂肪酸とオメガ9脂肪酸)と逆流性食道炎の関係についてご存知ですか?
オメガ3脂肪酸の1種であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は、カツオ、マグロ、ブリ、アジ、イワシ、サンマ、サバなどの青魚、カニ、ムール貝、牡蠣や魚油に含まれています。
また、オメガ3脂肪酸の1種であるα-リノレン酸(ALA)は、セイヨウアブラナ、大豆、亜麻仁油などに含まれています。
このオメガ3脂肪酸は、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを減少させ、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増加させる作用があることで一躍有名になりました。
さらにオメガ3脂肪酸の摂取は心疾患リスクを下げる可能性や関節リウマチの症状を緩和する可能性も報告されています。
一方、オメガ9脂肪酸の1種であるオレイン酸は、オリーブオイルに含まれています。
オレイン酸にも悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを減少させ、動脈硬化のリスクを低下させる効果があると言われています。
このようにオメガ3脂肪酸とオメガ9脂肪酸は、動脈硬化のリスクを低下させる効果が非常に有名ですが、実はいずれも胃腸にも良い効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸には胃に分布する交感神経を活性化し、胃酸分泌を抑える働きもあります。胃酸の分泌量が減ると、当然食道に逆流する胃酸の量も減るため、オメガ3脂肪酸には動脈硬化のリスクを下げつつ、逆流性食道炎の症状を軽減する効果も期待できます。
一般的に油は消化しにくく、このため胃酸の分泌量を増やすため、逆流性食道炎を悪化させます。
しかし、オメガ9脂肪酸のオレイン酸は胃の滞留時間が短く、消化の負担が少ないため、逆流性食道炎で悩む患者様にとっては負担の少ない油です。
さらにオレイン酸は腸の動きを促す作用があり、便通を良くする効果も期待できます。
料理に使う油としてオリーブオイルや亜麻仁油をとるのはオススメですよ。