おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第16回です。
今回は喫煙と逆流性食道炎の関係についてお話ししたいと思います。
タバコと逆流性食道炎は関係がなさそうに思うかもしれませんが、実は喫煙は逆流性食道炎の原因となることが分かっています。
喫煙は次のメカニズムで逆流性食道炎を悪化させると考えられています。
①喫煙により胃酸の分泌量が増加するため逆流しやすくなる
②喫煙により食道と胃のつなぎ目を締め付ける働きをする(胃酸逆流予防をする)筋肉である下部食道括約筋をゆるめるため逆流しやすくなる
③喫煙により唾液の分泌量が減少するため、唾液による食道粘膜の保護作用が低下し、逆流性食道炎を起こしやすくなる
実際、禁煙すると症状が改善することが分かっています。
2016年には大阪市立大学医学研究科 消化器内科学の藤原靖弘 准教授らの研究チームが、禁煙を行うと胸やけなどの逆流性食道炎の症状が改善するという論文を米国のオンライン科学誌PLOS ONEに発表しています。
【論文名】
Long-term Benefits of Smoking Cessation on Gastroesophageal Reflux Disease and Health-Related Quality of Life
この研究では、禁煙成功者の約43%で逆流性食道炎の症状が改善したと報告されています。
喫煙は、肺がんだけでなく、胃がんや大腸がんなどの様々ながんの原因となることも分かっています。
百害あって一利なしです。
逆流性食道炎の症状で悩んでおり、喫煙もしている方は、症状を改善させるためにも是非一度禁煙にtryしてみませんか。