おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第17回です。
逆流性食道炎は食後と就寝中に症状が出現する方が多い病気です。
そこで今回は寝るときの姿勢と逆流性食道炎の関係についてお話ししたいと思います。
逆流性食道炎は、食後2~3時間後と就寝中に最も症状が起こりやすいと言われています。
就寝前3時間以内には食事をしないのが最も大切です。
通常、就寝中は食道と胃のつなぎ目を締め付ける働きをする(胃酸逆流予防をする)筋肉である下部食道括約筋が締まるため、胃酸は食道に逆流しにくくなっています。
しかし、うつぶせの姿勢で寝ると胃が圧迫されるため胃の内圧が高まり、下部食道括約筋が緩むため、食道に胃酸が逆流し、就寝中に発作的に胸やけ症状や吐き気、咳などの症状が出現しやすくなります。
眠るときの姿勢は、うつぶせ寝を避け、仰向けで寝るようにしましょう。
横向きで寝る場合は、左側を下にして寝る方が胃酸逆流は起こりにくくなります。
胃は正面から見るとアルファベットの「J」のような形をしていますが、右側の側面を小彎(しょうわん)、左側の側面を大彎(だいわん)と言います。
胃の4分の3は左側に寄っているため小彎側は大彎側に比べると食べ物を貯めるスペースがありません。
また、小彎側は胃の入り口である噴門部と直線的につながっているため、右側を下にして寝ると小彎側に貯まった食べ物や胃酸が食道に逆流しやすくなります。
一方、大彎側は食べ物を貯めるスペースが十分にあり、左側を下にして寝た場合、噴門部は大彎側に対して上側に位置するため、貯まった食べ物や胃酸は食道に逆流しにくくなります。
また、仰向けで寝る場合は、上半身を高くして眠るのがオススメです。
ただし、枕だけを高くするのは止めましょう!!
気道(空気が通る通り道)が狭くなり呼吸に悪影響を及ぼしたり、のどが詰まりやすくなります。
腰から頭まで約15度の勾配をつけて上半身全体を高くしましょう。
逆流性食道炎は睡眠障害の原因になります。
睡眠障害は自律神経の乱れを招き、胃の動きを悪化させ、さらに逆流性食道炎を悪化させるという悪循環に陥りやすくなります。
正しい姿勢で就寝し、逆流性食道炎を予防しましょう!!
症状でお悩みの場合は、是非一度、ご相談ください。