福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その4 腸は第2の脳!?

おはようございます。

私たちの身体の中で腸には脳に次いで非常に多くの神経細胞が存在しているということをご存知ですか?

 

 

脳には約150億個の神経細胞が存在しており、ダントツで圧倒的に多く存在していますが、腸は脳に次いで2番目に多く、約1億個もの神経細胞が存在しています。

実は生命の進化の過程で、原始生物に存在していたのは、腸と口と触覚だけと言われています。

進化とともに腸の周りに神経細胞ができ、胃や肝臓、膵臓が作られていきました。

脳は、腸の神経細胞が集合し、進化したものと考えられています。

 

 

このように腸には多くの神経細胞が存在するため、腸は脳から独立して食べ物の消化・吸収・排泄を独自に行うことが可能です。

腸の神経細胞は、脳からの命令を受けることなく消化管を動かすことができ、消化・吸収・排泄に関わる他の臓器にも直接指令を出すことが出来ます

これが、腸が「第2の脳」と言われる所以です。

 

 

一方で脳と腸の間には密接な関係があり、お互いに影響を及ぼすことが知られています。

ストレスや緊張状態、不安などがあり精神状態が不安定になったときに便秘や下痢などの腸の不調が起こりやすいという経験はありませんか?

精神状態が不安定になるとお腹の不調が出現したり、逆にお腹の不調が続くとうつ病などを引き起こしやすくなると言われており、この脳と腸が密接に影響を及ぼし合う関係を「脳腸相関」と言います。

 

 

腸は脳の指令を受けることなく、自身に存在する神経細胞の命令で制御されていますが、交感神経と副交感神経という自律神経を介した脳からの命令によっても制御されています

自律神経とは、心臓の動きや体温の調節など、自分の意思とは無関係に体内の様々な生命活動の調整を行っている神経です。

 

 

自律神経は腸の働きにも深く関わっており、ストレスや生活習慣の乱れなどにより自律神経の働きが乱れると腸の動きが悪化し消化機能にも大きな影響を及ぼし、便秘や下痢などの腸の不調を引き起こします

逆に腸の不調が脳に伝わり、うつ病などの心の不調を引き起こすこともあると言われています。

 

 

便秘などの腸の不調がある場合には、一度、ストレスや生活習慣の乱れがないか、自身の生活の見直しもしてみましょう。

思い当たる点がある場合は、それを改善するだけでお腹の不調が改善することも多くあります。

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。