福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その6 便秘と食生活の乱れ

おはようございます。

生まれながらに腸などの先天的な疾患がある場合を除けば、生まれたときから便秘というケースはほとんどありません。

子供の頃は快便だったのに段々と便秘体質になってしまったという場合、実は多くの場合、些細な日常の生活習慣の積み重ねが原因です。

今回から数回に分けて、どのような事が原因で軽い便秘が悪化して頑固な便秘が形成されていくのかをお話ししたいと思います。

 

 

便秘が悪化する理由① 食生活の乱れ

正常な便は水分、食事を消化吸収した後の残りカス(食物線維などの不消化物)、胃や腸の分泌物や古くなって剥がれ落ちた腸管粘膜、腸内細菌から構成されています。

当然、食事をしなければ、便の材料自体が無いため、便自体が作られません。

また、胃に食べ物が入ると、それが刺激となり大腸が動きはじめ、排便の準備が開始されます。食事をするという行為自体が排便のきっかけになります。

このため朝食をしっかり食べないと、「便の材料不足」と「腸蠕動が起こらない」という排便に大切な二大要素が欠如するため、便秘を引き起こす大きな原因になります

 

朝食を摂っていたとしても、量が少なかったり栄養バランスが悪いと便の形成に必要な食物繊維が不足するため、便秘の原因となり得ます

特に、近年流行っている糖質制限ダイエットは注意が必要です

 

エネルギー源となる3大栄養素は糖質(炭水化物)、脂質、蛋白質です。糖質制限ダイエットは、このうち、糖質の摂取量を減らし減量を目指すダイエットです。

糖質はご飯やパン、麺類といった主食の摂取を控えるなど比較的取り組みやすいため、若い女性などで流行っていますが、便秘の原因となる可能性があります。

 

炭水化物の主成分は糖質ですが、実は、食物繊維も含んでいます

例えば、ご飯は、100gあたり0.5gの食物繊維を含んでいます。

また、ご飯や麺類などの主食には多くの水分が含まれていますが、主食を抜くことで、無意識のうちに水分不足を招くこともあります。

 

糖質制限ダイエットは、糖質を多く含む主食を抜き、主菜や副菜は特に制限しないやり方が一般的ですが、無意識のうちに、主食を食べないことで生じる「物足りなさ」を主菜で補うと動物性たんぱく質や脂質の摂取量が増え、腸内の悪玉菌が増加し、腸内環境の悪化から便秘となる可能性があります

 

糖質制限ダイエット自体は、良い面も沢山あるため、行う場合は極端なやり方をしないようにしましょう

 

 

食生活の習慣で当てはまるものはありませんか?

当てはまるものがあれば、まずは、これを改めることが便秘改善の第一歩です。

便秘の原因となるものは、まだまだ沢山あります。続きは次回以降でまたお話ししますね。

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。