福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その8 便秘と水分不足のくわしい関係

おはようございます。

前回は便秘が悪化する理由の1つとして、「水分不足」も関与していることについてお話ししました。

特に便が硬い方は、便秘の原因として水分不足がかなり影響している可能性があります。

そこで今回は便秘と水分についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。

 

 

私たちの身体は、大人の場合、約60%が水分で構成されています。

大まかな指標ですが、1日に最低限必要な水分量は、「体重(kg)×0.04(L)」と言われています。

体重50kgの場合、1日に必要な最低限の水分は、約2Lとなります。

この水分量は、必要最低限の水分量なので夏場や多量に汗をかいた後などは、この必要最低限な水分にくわえて、失われた分の水分も上乗せする必要があります。

 

このように計算すると1日に必要な水分はかなりの量ですね(汗)

 

 

「私は1日に1Lも水分を摂ってないけど、これまでも問題なく過ごせています」という方もいるかもしれません。

これは、私たちの身体の生命維持機能が非常に高性能なため、ある程度の水分不足は、体内の水分バランスを調整することで何とか帳尻あわせをしているからなのです。

余程、体内が水分不足にならない限りは、尿量や発汗量を減らしたり、便として排泄するために使う水分を減らしたりと、不足分の水分を体中からかき集めて生命維持に利用しています。

 

 

このように水分不足が慢性化すると、便の水分含有量が不足し、便秘となってしまいます

私たちが健康な便と考える正常な便の水分含有量は70~80%です。

便の水分含有量が60%程度になると、便が硬い硬便となり、大腸の屈曲部で引っかかりやすくなるため便秘になります。

 

 

また、便秘で悩んでいる場合、改善させるために食物繊維を頑張って摂取している方が多いですが、頑張って食物繊維を摂取しても摂取する水分が不足していると、逆に便が硬くなってしまい、便秘が悪化するという悪循環にはまることがあります

 

 

便秘で悩んでて、その便が硬い便の場合は、まずはその治療として水分摂取から始めましょう

ここが改善出来なければ、なかなか便秘の改善は期待出来ません。

 

 

診察中に水分摂取の重要性をお話しすると、

「水分を沢山摂るとオシッコが近くなるから、水分が取れないんです。」

と言われる患者様が、時折、いらっしゃいます。

 

 

実は水分摂取の方法や摂取する水分の種類にも注意が必要です

次回は、これについて詳しくお話ししたいと思います。

 

これから、夏に向けてドンドンと暑くなり、体内の水分は不足気味になります。

まずは、便秘治療の第一歩として、しっかり水分摂取を行いましょう!!

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。