福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その10 便秘を悪化させる原因1

おはようございます。

便秘が悪化する理由として、以前に「便意の我慢」「食生活の乱れ」「水分不足」「気温」などが関係していることをお話ししました。

これ以外にも便秘の原因となり得るものが色々あります。

そこで今回も便秘を悪化させる原因についてお話ししたいとと思います。

 

 

便秘が悪化する理由① 睡眠不足と夜型の生活リズム

腸は脳の指令を受けることなく、自身に存在する神経細胞の命令で制御されていますが、交感神経と副交感神経という自律神経を介した脳からの命令によっても制御されています。

特に腸の働きは、副交感神経により調節されていますが、この副交感神経は睡眠中のリラックスした状態の時に最も活発に働きます。

しかし、「睡眠時間が短い」「夜遅くまで起きている」「昼夜逆転した生活をしている」と、この副交感神経の働きが乱れるため、その結果として腸の働きのリズムも崩れ、便秘を起こしやすくなります。

 

 

便秘が悪化する理由② 運動不足

腸が便を肛門まで運ぶ動きである腸蠕動(ちょうぜんどう)には、実は腹筋が関与しています。運動不足などで腹筋が弱くなると腸の蠕動運動が起こりにくくなるため、便を押し出しにくくなり便秘の原因となります。

また、ウォーキングなどの運動も腸蠕動を活発にします。

運動不足は、排便力の低下、腸蠕動の低下を来たし、便秘の原因となります。

 

 

便秘が悪化する理由③ 加齢

年齢が上がっていくにつれて便秘で悩む方が増えてきますが、特に60歳を越えると男女問わず便秘で悩む方が増加します。

加齢に伴う便秘の一番の原因は、腸の機能そのものが低下してしまうためです。

過去の研究によると、70歳以上では大腸の筋肉(大腸壁)の弾力性は、若いときに比べて25%低下すると報告されています。

腸管壁の強さや弾力は、10代をピークに加齢とともに低下し、腸管粘膜の神経細胞の数も低下するため、加齢とともに腸の機能が低下していきます。

また、加齢とともに食事量が低下したり、運動量も低下することも便秘の悪化に繋がります。

さらに、腸の動きを悪化させる基礎疾患の存在や過去の手術の影響による腸の癒着なども便秘の原因になります。

 

 

これらの便秘が悪化する理由の中で当てはまるものはありませんか?

当てはまるものがあれば、まずは、この理由を取り除くことが出来れば、便秘改善に一歩近づきます。

便秘の原因となるものは、まだまだあります。続きは次回以降でまたお話ししますね。

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。