福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その11 便秘を悪化させる原因2

おはようございます。医師の細川です。

これまでに便秘が悪化する理由として、「便意の我慢」「食生活の乱れ」「水分不足」「気温」「睡眠不足と夜型の生活リズム」「運動不足」「加齢」などが関係していることをお話ししました。

これ以外にも便秘の原因となり得るものはまだまだあります。

そこで今回も便秘を悪化させる原因についてお話ししたいとと思います。

 

 

便秘が悪化する理由④ 女性ホルモンの影響

厚生労働省による2016年の国民生活基礎調査では、便秘の有病率は全体で2~5%、男性は2.5%、女性は4.6%と報告されており、男女差があります。

年齢別ではさらに差があり、思春期以前は男女差がほぼなく、思春期以降は女性の方が多くなります。

特に女性では10代後半から急増しますが、男性は60歳から急増するため、80歳以降になると男女差がなくなります。

若い世代では女性の方が便通異常が多い理由の1つは、女性ホルモンの影響が原因です。

月経が始まる初経後は腸管の運動機能に著しい影響を与える女性ホルモンの変化があり、この影響で若い女性は月経の前後で便秘や下痢を起こしやすくなります。

女性ホルモンの1つである黄体ホルモンには、体内に水分や塩分をためる作用があるため、大腸から便の水分を吸収し、便を硬くします。

また、黄体ホルモンは妊娠継続ホルモンでもあるため、流産しないように子宮筋の収縮を抑制する働きも持ちますが、大腸の運動も抑制する作用もあります。

この作用により、特に黄体ホルモンが多く分泌される月経前や妊娠初期は便秘になりやすくなります。

一方、月経が始まると下痢になりやすいのは、不要になった子宮内膜を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質の影響です。プロスタグランジンは腸の動きを促進する作用があり、腸が動きすぎて下痢になります。

女性ホルモンの影響を強く受ける年代の女性の便秘は、残念ながら避けることができません。

月経前は特に食事や運動、水分摂取に注意して排便力を低下させないように努めるのが便秘をこじらせないために最も大切です。安易に下剤服用による排便を目指さないようにしましょう。

 

 

便秘が悪化する理由⑤ 手術の後遺症

頑固な便秘の原因として、過去の腹部の外科手術の後遺症があります。虫垂炎や子宮筋腫、子宮がん等で腹部の外科手術を行うと、手術に伴う炎症の影響で本来は離れている臓器同士や腸管がくっつく腸管癒着を来します。

外科手術の後遺症として残念ながら癒着はある程度は避けられず、術後10年以上経過してから便秘の原因となることもあります。

 

 

便秘が悪化する理由⑥ 特定の病気や薬の影響

パーキンソン病や甲状腺機能低下症は、腸蠕動の低下を来すため便秘を合併することがあります。

また、抗うつ薬などの精神科領域の薬剤は、腸管蠕動を低下させる作用がある薬が多く、薬の副作用として便秘を来すことが多くあります。

 

 

便秘が悪化する理由⑦ ストレス

実はストレスは便秘を悪化させる大きな原因の1つとなり得ます。

詳しくはまた説明したいと思います。

 

 

これらの便秘が悪化する理由の中で当てはまるものはありませんか?

当てはまるものがあれば、まずは、この理由を取り除くことが出来れば、便秘改善に一歩近づきます。

次回は、便秘を悪化させる大きな原因の1つになるストレスと便秘の関係についてお話ししたいと思います。

 

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

細川 泰三医師

国立鹿児島大学医学部卒業。
麻生飯塚病院、北九州市立医療センター、国立病院機構福岡東医療センターで多数の消化器内視鏡検査・治療に従事。
2020年4月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。