おはようございます。医師の秋山です。
数学の確率論で有名な「モンティ・ホール問題」ですが、先日、YouTubeを見てる時に、ふとこの「モンティ・ホール問題」をスマートかつエレガントに解説された動画を発見しました。便利な世の中になったものです。
我々もYouTube公式チャンネルの「内視鏡チャンネル」で、有益な医療情報を提供していきたいと思います。
さて、皆さんは「難消化デキストリン」って聞いたことがありますか?
おそらく、聞いたことがない方が多いのではないかと思います。
「難消化デキストリン」とは、水溶性食物繊維の一つです。
元々は果物の中に含まれている食物繊維で、以前は、消化されない食物繊維という認識で、体にとって不必要なものと考えられていたのですが、最近の研究により、
①食後血糖を抑制する効果がある。
②脂肪の吸収を抑制し、内臓脂肪や中性脂肪を減らす。
③摂取量の約半分が大腸まで到達し、善玉菌のエサとなり、「短鎖脂肪酸」が作られる。
という効果があることが分かったんです。
「なんだよ、体に良いじゃん!」
ということで、トウモロコシのでんぷんを使って人工的に難消化デキストリンを作り、普段から不足しがちな食物繊維を手軽に補う目的で販売されるようになりました。
最近では、トクホのお茶やコーラなどにも難消化デキストリンが含まれています。
こんな感じで、ゼロキロカロリーのコーラや、お茶にも難消化デキストリンが含まれているものもあります。
それではこの難消化デキストリンですが、どれくらい摂取すれば良いのでしょうか?
だいたい5g程度摂取すれば、上記のような効果が期待できると言われています。その代わり、単独で摂取してもほとんど効果は期待できず、食事と一緒に摂取するのが大事です。
それでは、安全性についてはいかがでしょうか?
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、難消化デキストリンの1日の摂取量の上限を設定する必要がないほど安全な食材であると認めています。
ただ、水溶性食物繊維なので、過剰摂取は下痢を誘発すると思います。
調べてみると、体重1kgあたり1g以上の難消化デキストリンを摂取すると下痢を誘発するとのことです。
例えば50kgの方であれば、50g以上摂取すると下痢を誘発するという計算になりますが、個人的には、もっと少ない摂取量で下痢を誘発すると思いますので、要注意です。
ちなみに、先ほどのゼロキロカロリーコーラには、難消化デキストリンが1本あたり5g含まれていますので、摂取量としては適量だと思います。
このコーラで難消化デキストリンを摂取するのも大変ですので、粉末で売っている難消化デキストリンを購入して摂取するのが良いでしょうね。
以上、「難消化デキストリン」の解説でした。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。