福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その26 腸の形のセルフチェック

おはようございます。

前回、日本人にはねじれ腸、落下腸が多く、便秘の原因になりやすいと言うことをお話しました。

今回は、腸の形に異常のある便秘の可能性があるかどうかをセルフチェックする方法についてお話ししたいと思います。

 

 

【ねじれ腸、落下腸のセルフチェック】

①子供の頃から便秘がある

腸の形は生まれつき決まっていることが多いため、子供の頃から便秘がある場合は、ねじれ腸、落下腸の可能性があります。

 

②便秘になるといつも同じ場所に腹痛がある

腸のねじれている場所で便が引っかかると、その便を押し出そうとする圧がかかるようになり、腸の内圧が高まるため、腹痛が生じます。便はねじれの強い場所で引っかかるため、いつも同じ場所が痛くなるのが特徴です。痛みが出る場所がねじれ部分と考えられます。

 

③便秘の後に下痢や軟便になることがある

ねじれた腸の部分に便が引っかかると、その便を出すために腸が防御反応として水分をたくさん出すため、軟便や下痢を起こしやすくなります。

 

④運動量が減ると便秘になりやすい

運動は腸を揺らすため、便が腸のねじれ部分で引っかかりやすくても、運動による腸の揺れで引っかかりが取れ、排便し易くなります。このため、ねじれ腸の人は、運動をしているときは、便秘になりにくいケースが多いですが、運動不足になると腸の揺れによる排便サポートが無くなるため便秘になりやすくなります。

 

⑤運動しても便秘が改善しない

ねじれ腸の場合は、運動によりある程度便秘の改善が期待できますが、運動を行っても便秘の改善が難しいケースが多いのが落下腸の場合です。落下腸は、胃の下のお腹をまっすぐに横切っている横行結腸がU字型にだらんと垂れ下がり、骨盤の中に落ち込み折り重なっています。このため、運動を行っても骨盤内に落ち込んで溜まっている便はブランコの様に揺れるだけのため、運動だけで便秘を改善させることが出来ません。

 

⑥立ち上がると仰向けで寝ているときよりも下腹部がポッコリ出る

仰向けで寝た状態ではお腹が平らでも、立ち上がると下腹部がポッコリ出る場合は、落下腸の特徴です。

立ち上がると重力で腸が落ち、下腹部に集まるため、ポッコリ飛び出てしまいます。

 

 

如何だったでしょうか?

以上がねじれ腸と落下腸のセルフチェックポイントです。

 

1)①~④の項目のうち2つ以上が当てはまる場合は、ねじれ腸の可能性が高いと考えられます。

2)1)の項目を満たし、更に⑤⑥の項目のうち1つ以上が当てはまる場合は、落下腸の可能性が高いと考えられます。

 

 

自分の腸の形が推測できると、それに応じた便秘解消のために気をつけるポイントなどが変わってきます。

次回以降で更に腸の形と便秘についてお話ししたいと思います。

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。