福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その28 落下腸の便秘の特徴

おはようございます。

前回、ねじれ腸による便秘の特徴についてお話しましたが、今回は落下腸の便秘の特徴についてお話したいと思います。

落下腸は、胃の下のお腹をまっすぐに横切っている横行結腸がU字型にだらんと垂れ下がり、骨盤の中に落ち込み折り重なっている腸の形態異常です。

U字型の部分に便が溜まるため、頑固な便秘を起こしやすいと考えられています。

 

 

特徴1:下腹部がポッコリ飛び出している

全体的に体型がスリムでやせているのにもかかわらず下腹部だけがポッコリ飛び出している場合は、落下腸の可能性があります。

落下腸では大腸全体がダラリと伸びて骨盤内に落ち込むため、下腹部だけがポッコリ飛び出てしまいます。

 

 

特徴2:排便前に同じ場所に腹痛が出やすい

落下腸もねじれ腸と同様に便が溜まってくると排便前にいつも同じ場所に腹痛が出現しやすくなります。

腸が落ち込んでいる部分に便が引っかかりその部分で便が詰まると腸管の内圧が高くなるため、お腹の痛みが出現します。

排便前に出現する腹痛がいつも同じ場所だという場合は、その部分の腸が落ち込み便が溜まっている可能性が高いと考えられます。

 

 

特徴3:運動で便秘が改善しない

ねじれ腸の便秘は、運動をして腸がゆれると、ねじれ部分の便の引っかかりが解除されやすく、便秘が改善します。

しかし、落下腸の場合は軽い運動を行う程度では、骨盤内に落ち込んでいる腸を十分にゆらすことは出来ないため、少々運動を行った程度では便秘を改善ことができません。

 

 

特徴4:便秘の家族歴がある

実は顔が遺伝するように腸の形も遺伝することが多いといわれています。このため、両親や兄弟も便秘だったり、排便前にお腹が痛くなることが多いといっている場合は、落下腸が遺伝している可能性があります。

 

 

落下腸の便秘は、ねじれ腸の便秘と共通している点も多いですが、下腹部がポッコリ飛び出している点や運動で改善しない点などが異なります

落下腸が原因の便秘は、放置すると折れ曲がり部分が増加し、曲がっている角度も急になるため、便秘がますます悪化する負の連鎖に陥りやすい便秘です。

 

 

骨盤内に腸が落ち込んでいるのが原因のため、腸の押し上げマッサージや背筋を伸ばし、腹筋を意識する姿勢を取ることで腸の落ち込みを軽快させることが可能です

背中をピンと伸ばし、腹筋に力を入れてお腹を引っ込めるよう意識することで姿勢を保つことが出来るようになります。

 

次回以降では、ねじれ腸や落下腸を改善させるお腹のマッサージについてお話ししたいと思います。

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。