今回は人生における節目と便秘について解説したいと思います。
これまでは、特に便秘に悩むことが無かった人が、あるときを境に急に便秘で悩むようになったということでクリニックを受診されるケースがあります。
突然、便秘になる場合は、大腸癌が原因のことがあるため、このような場合には、まずは大腸カメラ検査を受けることを強くオススメします。
検査をした結果、「大腸には全く以上は無かった」という場合は、患者さんにとって大きな人生の節目があり、その前後から便秘が始まったというケースが多くあります。
実は、人生における大きなターニングポイントになる節目は、便秘を引き起こす原因になります。
どういった節目が原因になり得るかについてお話したいと思います。
①転職・引っ越しなど
転職や引っ越し、進学などの環境の変化は便秘の原因になります。
周囲の環境が一変することは、多くの人にとって大変ストレスな状況です。
新しい環境に慣れてくるまで、ストレスを感じることで、自律神経の乱れを起こし、腸の動きにも変調を来します。便秘を起こすだけで無く、下痢の原因となったり、便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群の原因にもなり得ます。
②妊娠・出産、ダイエット
妊娠・出産やダイエットも便秘の原因になります。
女性の場合、妊娠や生理の前後など、女性ホルモンのバランスが変わるときに便秘を起こしやすくなります。
妊娠は、子宮の増大に伴い、腸を圧迫し、大腸の折れ曲りが強くなるなども便秘の原因となります。
また、出産やダイエットは、胎児や脂肪などの大腸を押し上げて支えていたお腹の中身が減ることで、大腸が骨盤内に落ち込み落下腸が進行し、便秘が悪化することもあります。
さらに、ダイエットは食物繊維の摂取量の不足や、便のかさの減少を来すだけで無く、腹筋をはじめとした筋肉量の減少・衰えにより、大腸の蠕動運動を低下させ、便秘を悪化させます。
③定年退職、コロナ禍のステイホーム
定年退職や新型コロナウイルス感染症による自粛の影響で在宅勤務・学校のリモート授業など、家に引きこもり、外出する事無く、ステイホーム期間が長くなることで便秘になった人が多くいます。
定年退職や在宅勤務などになる前は通勤や通学で職場や学校まで毎日歩いていた生活が無くなり、ほとんど歩くことが無くなると、運動不足から大腸の蠕動運動が低下し、便秘になりやすくなります。
④スポーツやジム通いの中断など
もともと腸の形がねじれ腸の人は、運動量が低下すると便秘が悪化しやすくなります。
普段からスポーツやジム通いを定期的にしていた人ほど、それを止めると便秘が悪化するリスクが高くなります。
コロナ禍でスポーツやジム通いを中断している場合も自宅でラジオ体操やユーチューブを見ながらダンスをするなど、やめたスポーツの代わりになるような運動を意識的に取り入れるようにしましょう。
いかがでしたか?
このように人生の大きなターニングポイントは便秘の原因となり得ます。
それを知っておくと、改善させるための対策も取りやすくなります。
参考にして頂けると幸いです。