おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は整腸剤の話です。
現在、ドラッグストアには沢山の整腸剤が売っています。新ビオフェルミンS、強ミヤリサン錠、ビオスリーなど・・沢山あってどれを飲むか迷ってしまうほどです。
これらの整腸剤ですが、「下痢」の時に飲んでいる方が多いのではないかと思います。
でもこの整腸剤、実は「便秘」にも効果があるのはご存知ですか?
「下痢」と「便秘」・・・この相反する症状ですが、なぜ整腸剤はどちらも効果があるのでしょう?
それは、「下痢」と「便秘」ともに、腸内細菌のバランスが崩れたことが関与しているからなんです。
整腸剤を飲むことにより、腸内細菌の環境を整えることができますので、これにより「下痢」や「便秘」が改善していきます。
それでは、それぞれが起こってしまうメカニズムについて説明します。
まず、一般的な「下痢」のメカニズムですが、
なんらかの原因により腸内細菌のバランスが崩れる。
→腸管運動亢進、腸管透過性亢進、水分分泌吸収不全などが起こる。
→水様下痢便が出る。
という感じです。
対して「便秘」のメカニズムですが、
なんらかの原因により腸内細菌のバランスが崩れる。
→腸管内にメタンガスが増え、さらに幸せホルモンである「セロトニン」の分泌が低下
→糞便中の水分量が減り、腸管運動も低下する。
→便秘になる。
という感じになります。
便秘の場合は下痢よりもメカニズムは複雑です。このため治療効果に時間がかかります。
もちろん、「下痢」も「便秘」ももっと色んな要因が複雑に絡み合っており、整腸剤だけで治らない場合も多いですが、基本的な治療はどちらも整腸剤ベースです。
下痢や便秘で悩んでいる皆さん、ぜひ整腸剤を毎日飲んでみて下さいね。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。