福岡天神内視鏡クリニックブログ

健康診断の血液検査の見方をざっくりと教えます!〜肝臓系検査編〜

おはようございます。医師の秋山です。

 

健康診断の季節になりました。そろそろ結果が戻ってきた方も多いのではないかと思います。

全く異常値がなくて健康な方、異常値を指摘されて青ざめている方、異常値を指摘されたが見なかったことにしてる方、色々いらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、健康診断の血液検査の見方についてざっと解説したいと思います。

 

ちょっとだけ基準値から外れているだけだから病院は受診しなくていいよね。

でもちょっと気になる、でも調べてもよく分からないし。。。

 

そんな方はぜひ参考にしてみてください。

 

ただし、難しいことは抜きにして簡単に説明してます。つまり、検査結果の高値、低値となる主な原因のみピックアップしてますので、参考程度にしてください!

 

今回は肝臓系検査編です。それでは張り切っていきましょう!l

 

〜肝臓系検査編〜

 

・総蛋白(TP):基準値6.5~7.9g/dL

血液中の蛋白の総量を示します。難しいことは抜きにして、総蛋白はアルブミンとグロブリンの総和と考えましょう。

アルブミン、グロブリンってなんだ?と思われた方も多いと思いますので簡単に説明します。

アルブミン→肝臓で作られる蛋白質。栄養状態が悪いと下がってくる。

グロブリン→肝臓や骨髄で作られる蛋白質。主に免疫の抗体の成分と考えましょう。

 

前置きが長くなりましたが結論です。

 

TPが高値→グロブリンが増えているから高くなる!

原因として、まずは脱水による濃縮を考えましょう!健診の時って食事抜きで採血しますから、脱水によりこのTPが高くなることが多いです。

ただし、数値が8.4以上なら免疫系の病気や血液系のがんを疑って精査を受けてください。

 

TPが低値→アルブミンが減っているから低くなる!

ほとんどが栄養状態が悪いからと考えて良いです。痩せ型の方、食事をあまり摂らない方はまさにこれに当てはまります。

たまに肝疾患、腎疾患が隠れてますので要注意です。

 

・AST,ALT:基準値どちらも31~50U/L

肝機能の評価としてあまりにも有名なので詳細は省いて結論を説明します。

 

高値→ほぼ肝機能異常が原因(そしてほぼ脂肪肝)

低値→ビタミンB6欠乏。特に、どちらかが15U/Lより低値であれば、ビタミンB6が不足してると思ってください(疲れやすい、だるい、悪い夢を見るなどありませんか?)

★AST,ALTが低い方はビタミンBのサプリメントを飲むことをお勧めします。元気がみなぎってきますよ。

 

・γGTP:基準値50U/L以下

お酒飲みの方で高くなることであまりにも有名なので詳細は省きます。

高値→アルコール性肝障害か脂肪肝でほぼ占める。まれに体質による高値の人がいます。

低値:タンパク質をあまり摂ってない人は低くなります。食事をあまり摂らない方は低くなりがちです。

 

健康診断で測定する肝機能系検査はこれくらいだと思います。皆さんぜひ参考にして、異常値を指摘されて困っているときは病院を受診するようにしてくださいね。

 

次回は腎臓系検査を解説します。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。