福岡天神内視鏡クリニックブログ

健康診断の血液検査の見方をざっくりと教えます!〜腎臓系検査編〜

おはようございます。医師の秋山です。

7月18日は福岡院の開院5周年でした。あっという間に5年間が過ぎ、6年目に突入です。

これからも福岡院をよろしくお願いします。

さて、今回は、健康診断の血液検査のうち、腎臓系検査編をお送りします。

 

腎臓系検査では、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、尿酸を測定することが多いです。この3つの数値の高くなる原因と低くなる原因を解説したいと思います。

 

それでは張り切っていきましょう!

 

①尿素窒素(BUN):基準値8~21mg/dl

体内の蛋白質を代謝した時にできる最終産物です。全て腎臓から排泄されます。つまり、腎機能が悪いと尿素窒素は上がるということになりますね。

 

結論です。

BUNが高値→シンプルに、腎臓の機能が悪いと上がりますが、健康診断に限って言えば腎機能悪化による上昇はほとんどいません。

ほぼほぼ、脱水による高値、あるいは蛋白質の過剰摂取による高値です。つまり、ちょっとくらいBUNが高くても恐るに足らずと思いましょう。

 

BUNが低値→ビタミンB群が不足し、蛋白質の代謝が低下している場合がほとんどです。その他、蛋白質の摂取不足でも低下します。ここでもビタミンB群が出てきましたね。それだけビタミンB群は体に重要なビタミンということが分かります。つまり、BUNが低い方はビタミンB群を摂りましょう。サプリメントでの摂取をお勧めします。

個人的に、私が血液検査でいつも気にかけている数値の1つがこのBUNです。

 

②クレアチニン(Cr):基準値5~1.09mg/dl

筋肉を動かす時のエネルギーを使うと発生する老廃物です。簡単に言うと、筋肉量と比例します。体にとって不要なものであり、全て腎臓から排出されます。

 

結論です。

Crが高値→これも腎臓の機能が悪いと上がりますが、健康診断レベルであれば、そこまで多くないです。

筋肉量が多い若者や男性は高くなります。また、BUNと同じで脱水でも高くなります。こちらの方が多いですね。

 

Crが低値→女性や高齢者など、筋肉量が少ない方が低くなります。これがほとんどです。つまり、病的な意義はほとんどありません。

 

③尿酸:基準値2.5~7.0mg/dl

痛風発作の原因となることで有名です。プリン体が分解されてできます。

実はプリン体は、8割が体内で作られていますので、ビールや魚卵などの食べ物から摂取するプリン体は尿酸値にあまり影響しないと言われています。

 

結論です。

尿酸が高値→尿酸の排泄量低下が主な原因です。実は、プリン体の摂り過ぎが原因となるのは2割程度です。

尿酸が排泄量が低下する原因で一番多いのは肥満です。まずは痩せましょう。これだけで尿酸は下がります。

その他、アルコール、糖質の摂り過ぎも要注意です。プリン体がほとんど入ってない焼酎などを飲んでも意味ないです。アルコールは全般的に尿酸が上がります。

意外にストレスでも上がりますので気をつけましょう。

 

尿酸が低値→元々の体質的に低値である場合がほとんどです。その他、タンパク質摂取不足、ビタミンB群不足などが考えられます。

以上が腎機能検査編でした。皆さんぜひ参考にされてください。

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。