おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は大腸がんの話です。
2021年の部位別がん死亡数(国立がん研究センターがん情報)の順位は以下のようになってます。
男性;1位:肺がん2位:大腸がん3位:胃がん
女性;1位:大腸がん2位:肺がん3位:膵臓がん
合計;1位:肺がん2位:大腸がん3位:胃がん
大腸がんは男女合計で第2位です。2025年には肺がんを抜いて大腸がんが1位になると予想されています。
怖いですよね。大腸がんにならないようにしたいものです。
私は普段から、「大腸がんの予防のために、大腸カメラ検査を定期的に受けましょう!」と患者さんに話をしています。
それでは、私たちの普段の生活の中で、大腸がんを防ぐ有効な手段はあるのでしょうか?
それは「運動」です。
運動は、私たちの生活習慣の中で唯一「ほぼ確実に大腸がんのリスクを下げる」と言われています。ここまで断言されているのは運動だけです。
具体的には、軽く息があがる程度の運動を1日約60分程度、週3回行うと良いです。
なぜ「運動」が大腸がんを予防するのでしょうか?
一般的に言われているのが、肥満を予防するから、運動により腸のぜん動運動を促進して、便通が良くなるから、免疫力が上がるから、などが大腸がんを予防すると言われています。
そして最近になって提唱されているのが「スパーク(SPARC)」というホルモン様物質です。
(SPARC→Secreted Protein Acidic Rich in Cysteineの略)
これは、運動をすることにより筋肉から直接分泌される物質で、運動するとこの「スパーク」が血流に乗って大腸に到達し、大腸がんを防いでくれることが分かっています。
(Exercise-induced SPARC prevents tumorigenesis of colon cancer;Aoi W et al.( 2012) Gut 62: 882-889)
その他、「スパーク」は糖尿病を予防してくれる効果もありますので、非常に健康に寄与する物質だと分かりますね。
いかがでしょうか。皆さん、運動したくなってきませんか?
運動の効果は48時間持続すると言われています。週3回で良いので適度な運動を行いましょう。
以上、運動と大腸がんの話でした。
正月三が日に購入した腸活の本です。「腸活の女王」である加治ひとみさんの最新の著書ですが、非常にためになります。ぜひご一読を。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。