福岡天神内視鏡クリニックブログ

「カゼイン」について解説します!

おはようございます。医師の秋山です。

人間は、何かを習慣化するまでに66日間かかるそうです。これから何かを始めたいと思っている方は、歯を食いしばってまずは2ヶ月頑張ってみましょう。そうすればその行動は習慣化します。

 

さて、前回は「グルテン」について解説しました。

今回は「カゼイン」について解説します。

聞き慣れない名前ですが、普段から食べ物に気をつけている方は知っていると思います。

「カゼイン」は牛乳に含まれるタンパク質です。

「カゼイン」は腸内環境に影響を及ぼしますのでここで詳しく解説したいと思います。

「カゼイン」は牛乳の成分の約80%を占めるたんぱく質のことです。牛乳のカゼインはα型カゼインですが、これは人体ではほとんど消化されないと言われています。

(ちなみに母乳はβ型カゼインであり、これは人体で消化できます)

 

未消化のカゼインは、腸内まで運ばれると、腸内で炎症を起こします。これが便秘や下痢などの便通異常の原因となると言われています。

また、未消化物のカゼインが腸にたまると、腸管上皮細胞と細胞の間が緩くなり、体にとって悪い物質が血液中に流れやすくなります。これがいわゆるリーキーガット症候群です。

このリーキーガット症候群により、下痢や便秘などの便通異常を来したり、アレルギー症状、体がだるい、疲れやすいなどの不調が出やすくなります。

 

また、カゼインがわずかに腸で消化されることにより、モルヒネ様物質が出てきます。これが依存症の原因となることがありますので注意が必要です。

 

いかがでしょうか。あまり良くないことばかり書きましたが、カゼインは腸にとっては良くないということです。

 

ただ、牛乳コップ1杯(約200ml)を毎日飲むことで、脳梗塞や認知症のリスクを下げるという報告もあり、一概に牛乳が体に悪いというわけではないんですよね。

 

お腹がもともと弱い方は牛乳はなるべく飲まないようにすると良いです。

 

どうしても牛乳が飲みたい!という方は、1日コップ1杯までにしましょう。

また、ヨーグルトやチーズは発酵食品ですので、カゼイン含有量が牛乳よりも少なくなっていますのでそちらの方が良いかもしれませんね。

 

以上、カゼインの解説でした。

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。